タイトル: 入学式狂想曲 マスター:WTRPGマスター
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シナリオ形態:大規模作戦
難易度: 特別
参加費: 無料
参加人数: 無制限
報酬:120,000C(全作戦参加)
※活躍に応じてさらに支給
備考:第2回リプレイは
はがわイラストレーターにより
漫画化もされます!
決行日時:
2008年12月5日
リアルタイムイベントページ公開

12月11日 第1回結果発表
12月18日 第2回結果発表
12月22日 各種褒章配布
■オープニング本文
※ご注意
大規模作戦の能力値、装備などは、1500名を超える参加者の一斉読み込みを行なった場合の
サーバー負荷軽減のため、『行動入力時のもの』が採用されます。くれぐれもご注意ください。
※大規模作戦リプレイ指針を公開いたしました。ご一読ください。



【 入学式開幕! 】
 グリーンランド。
 カンパネラの旧校舎から、海峡を挟んで向こう側にある、極寒の島である。
 詳しい事は、傭兵達の手によって徐々に明らかになるであろうその島の地下には、人々が避難に使用している場所があった。
 ゴッドホープ。
 神の希望の名を持つその地下避難施設は、もはや1つの都市と言って差し支えないだろう。室内は適度に管理され、仮設住宅が林立し、外の極寒からはかけ離れた生活を送れる‥‥そんな町だ。
 だが、グリーンランド南部に位置するこの町にはいくつかの別の顔があった。
 その1つが、カンパネラの式典施設としての顔である。
 ゴットホープから東に600km。世界地図基準で言えば『近郊と言って差し支えないだろう。グリーンランド南東部の町タシーラクに、その施設はあった。
 UPCのスケジュールにも入学式の予定が記載され、各地から護衛つきの重要人物が、続々とタシーラク入りしていた。彼らは、専用のゲートから続々と宿舎となるべき建物へと案内されている。その中には、カンパネラの制服を着た者もいる。彼らは、準備を整えると、続々と会場へ入って行った。
 そして。
「あーあー。マイクのテスト中〜。みんなー。こーんにーちはー!」
 設置されたステージの中央で、制服を礼装用に着こなした聖那が、まるでどこかのアイドルのように、おててを振りたくっている。
『会長。コンサートと違います。もうすぐ式なんですから、真面目にやってください』
 そこへ、ティグレスがぐさっと釘を刺した。ここは式典の会場。アイドルイベントはよそでやってくれ‥‥と、言わんばかりである。仕方なく聖那は、しぶしぶ自分の役どころに戻る。それを確かめた後、ティグレスは管理部の生徒に言って、早く着た者達を、会場に入れるよう指示していた。
「わー、結構な数が来てるわね」
 その様子を、控え室から見守っていた聖那は、まるで水族館にかけよる子供のような顔で目を輝かせている。
「メガコーポレーションのトップも来られているので、失態の内容お願いします」
「んー、心配しなくても大丈夫よ。原稿はちゃんと覚えて来たし」
 よもや間違える事は無いとは思うが、普段の若干天然さんの入った様子をよく知るティグレスとしては心配で仕方がない。
「時間ね。じゃ、後はお願い」
「セリフ、間違えないようにしてください」
 最後にそうとだけ念を押したのと同時に、時間を告げる鐘が会場に響きわたる。それは、カンパネラ学園に鳴り響くカリヨンと同じものだ。
『‥‥まずはカンパネラ学園生徒会執行部、龍堂院聖那より、開会の挨拶です』
 放送部の生徒がナレーションを入れる。しずしずと壇上に進み出た聖那は、さきほどまでのお茶目っぷりは陰も形も見えない微笑で、穏やかに開会宣言を口にする。
「新入生の皆様、入学おめでとうございます。ご来賓の方々には、遠路はるばる、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。‥‥ただ今より、本年度カンパネラ学園入学式を開催いたします」
 だが、その直後だった。

 ‥‥ドォォォォォンッ!!

 盛大な振動が、巨大な講堂全体を揺らし、エマージェンシーコールを、響かせる。
あちこちで危急を告げる赤色灯が回転し、照明が非常電源に切り替わっていた。
「これは‥‥敵襲?」
 ティグレスが、窓の様子を確かめれば、そこには空一面に広がるキューブ型のワーム、そしてところどころにキノコ型ワームが見え隠れしているのが確認できた。
「‥‥先に来賓の避難を。生徒は順番に退避。管理部の生徒は、AUKVを起動後、敵部隊の掃討へ向かいなさい。ティグレス、指揮をお願いします」
 それを、会長へと伝える前に、彼女のほうから指示が飛んできた。
「近づかせてはなりません。タシーラクには、入学式を心待ちにしている生徒来賓ばかりではないのですから」
 指示を出す彼女から、先ほどまでの頼りない姿は消えていた。
 出来上がったばかりの会場を、そしてその影に隠したものを絶対に護り抜く――そんな意思が強い瞳から感じられる。
 そんな彼女に、ティグレスは「かしこまりました」と頷く。彼女の忠実な片腕として。
「防衛作戦、発動です!」


【 地下研究所 】
 グリーンランド南東部、タシーラク。
 その表面はごくごく普通の北の町だ。周囲を白く染め上げる雪と、肩を寄せ合うような建物。それを見守るような巨大な講堂。
 だが、その町に入ったはずの要人達は、中々講堂に姿を現さなかった。否、タシーラクの町にすら、その姿を見ていない。ならば、どこに行ったのだろう。それは、講堂地下に設けられた空間に、回答があった。

 アンサマリク研究所。

 それがこの地下施設の名前である。詳しい事はまだ公表できる段階にはないが、様々な条件下でのSES搭載兵器の開発を見据えた場所‥‥だそうだ。
「そろそろ、上では入学式が始まる頃だね」
「ビデオメールは送っておきましたから、挨拶にはなるでしょう」
「俺が生徒の前に出たら、鉄くずを投げられそうだしな」
 数十人の人々が、地下の会議場に集まっている。その中には、カプロイア伯爵や、ドローム社のミユ社長、おまけに研究所のブレスト博士の姿まである。
「それにしても、壮観な風景だね。各国の重要人物が集まっている光景なんて、そう簡単にないよ」
「相当苦労したようだがな」
 そのブレスト博士が、周囲の人々を見回してそう言う。手元の挨拶状には「これだけの人員が集まるのは大変だった」と言った趣旨の文章がプリントされていた。
「まさか、入学式を隠れ蓑にするなんて‥‥ねぇ?」
 ミユ社長が悪い企み事でもするような笑みを口元に浮かべている。自社に発注されたものだけでも、入学式とはかけ離れた研究資材ばかりだ。これを運搬するとなると、もはや秘密裏に‥‥と銘打つにはおこがましい量になるだろう。
「まぁ、運搬した生徒には、何か理由があることがバレてしまっているようだけどね」
「そのうち、公開情報になるさ。バグアにバレなきゃそれで良い」
 式典用設備と、新たな研究所だと言うだけならば、たいした問題ではないと、集まった要人達は思っているのかもしれない。
「スチムソン博士も、最近までこの場所に居たらしいからね」
 それもその筈、もはや伝説と言って良い御仁も、関わっていたらしい。一方で、中には、音声だけの参加をしている御仁もいるが、クルメタルの重役や、入学式に出席していたはずのカンパネラ教員の姿もあった。
「これだけの人材が関わった結果があの壇上の品か」
 ブレスト博士が指し示した議場の中央には、まるでモーターショーのコンセプトカーのように、真新しい機体が2機、鎮座していた。
 1台はミカエル。カプロイア伯の肝いりは作られた物理攻撃特化型AUKVである。いつぞやのテストの後、その魅力を最大限に生かす舞台を、ずっと待っていたようだ。
「今度の入学式から‥‥ですわね。伯爵らしい公開方法ですこと」
 ミユの言うカンパネラ入学式。確かにそれは、人の目も多く、お披露目にはうってつけの場所である。
「なんだ。バハムートには、クルメタルも関わっていたのか?」
 もう1つ‥‥バハムートと書かれている。そして、下の方には『出展:クルメタル』と記されていた。
「さすがにそこまでは。伯爵、何か聞き及んでいません事?」
「私が知っているのは、それのロールアウトが、あの会社に回っていると言う事だけだよ」
 ミユ社長の問いに、彼は首を横に振る。
「カプロイアでは駄目だったんですわね」
「単に私の美意識に反するだけさ。それに、系統としてはドイツ車両に近いようだから、譲っただけだよ」
 自信たっぷりに答えるカプロイア伯。そんなやり取りを耳にしていたブレスト博士は、いつものようにタバコをくゆらせながら、こう告げる。
「どこの社でも良いから、使えるようにはしてくれ。能力者にも、次々と新しい力が発見されているようだし。ただでさえ鉄くず博士なんて言われてるんだから」
「ふふふ‥‥。実に興味深い事だね」
 それは、彼が鉄くずだと言うことだろうか。伯爵の優美な横顔からは、何も読み取れない。
「能力者の新しい力‥‥。ドラグーンの発見もある。今力を持っている能力者も、いずれは別の能力に目覚めるかもしれない」
「あるいは、その力こそが、既に違う能力の片鱗なのかもしれませんね」
 もっとも、その伯爵は、ミユと共に、能力者の新しい可能性について協議していた。そんな二人の悪巧みとも言える話し合いを見て、博士が「だと良いんですがね」と、ため息をついた直後である。

 ‥‥ドォォォォォンッ!!

 盛大な振動が、巨大な講堂全体を揺らし、エマージェンシーコールを、響かせる。
あちこちで危急を告げる赤色灯が回転し、照明が非常電源に切り替わっていた。
「敵襲のようだね。避難をしたほうが良さそうだ。着いてきたまえ」
 カプロイア伯が、くるりときびすを返して、非常口へと誘導しようとした。だが、その直後である。その非常口から、くぱぁと鋭い牙を除かせたのは、芋虫のような形をしたキメラだった。
「‥‥おかしいね。ここは能力者達にも極秘にしていた場所。どこから情報が漏れたのかな」
 周りの人間が慌てる中、冷静に言い放つ伯爵。と、ミユ社長は、そのキメラ達の向こう側にいる髭を生やした白衣の御仁に目をつける。
「答えはそこにいる連中に聞いた方が良さそうですね‥‥」
 厳しい表情を浮かべるミユ。相手は年齢30代と言ったところだろう。一見して西欧人だ。確か研究所に出入りする科学者の1人で、ニコライ・ブラーエと言う名だったことを、彼女は思い出した。
「聞くまでもない。大方私やミユくん。それにブレストくんのような、優秀な要人を狙ったものだろうさ」
 ばさり、とマントが翻った。その刹那、芋虫の向こう側に居た研究員が、その口元をにやりと歪ませる。
「ふふ、よくわかったな。さすがはメガコーポレーションの重鎮。この事は、上に報告する事にしよう。実に興味深い‥‥しな」
 彼はそう言い置くと、笑みを浮かべながら外へと、ホワイトアウトしていくのだった。


【 敵襲来 】
 混乱する入学式会場。中には、外へ様子を見に行った生徒もいる。その1人が目撃したのは、ラインホールドに乗り込む髭で白衣の研究者らしき人物だった。ブリザードが吹き荒れている為、細かい様子はわからない。だが、その向こうに現れた搭乗口へ、彼が乗りこんでいく姿だけは、はっきりと見えた。
 急いでその事を生徒会に話に行こうと、きびすを返す生徒。だが、AUKVを翻した刹那、その上空に新型の影を目撃する。確か、メイズリフレクターに、マインドイリュージョナーと名前がついていた。目を凝らせば、天空を覆うワームの群れ。
 形は、キューブワームに似ている。違うのは、まるでガラスのドームのごとく、群になっているところだった。その数キューブワームの比ではない。迷路を形成するその要所要所には、生贄を捧げる柱か、さもなくは電波塔のように、ベニテングダケを大型化したようなワームが立ち並ぶ。そして、外側から波状攻撃をするかのようにラインホールドが並び、足元を固めるのは、7mはあろうかと言う巨大なミミズ‥‥サンドワームだった。
 ブリザードのせいで遠くまでは見渡せないが、広がる敵部隊の向かう方向は、確かゴッドホープのある場所。KVでも1時間しないうちに飛べる範囲だ。すぐ近くと言って良い。
 と、その中央に。
「やれやれ。元気な奴ばっかだなぁ。これじゃ、姉様に丸ごと献上するより、埋めちゃったほうが早いかもよ? 兄様」
 そんな事をこれ見よがしに言っている人型の物体が、ブリザードの間から姿を見せた。声からすると、顔を出したのは、甲斐蓮斗だ。ゾディアックでみずがめ座の称号を持つ少年である。
「口が過ぎるぞ、レン。誰かに聞かれたらどうする」
 その横に居た雪原迷彩のステアー。中身はおそらく佐渡京太郎。彼が、何やら合図する。レンが姿を消し、周囲が白濁していく。代わりに現れたのは、同じ様に雪原迷彩の施されたゴーレムとワーム達だ。
「わかったよ。それじゃ。パーティを始めようか」
 見上げた生徒には、彼の高笑いが聞こえたような気がした。


【 雪嵐の脅威 】
 入学式の行われるタシーラク。極寒の大地と言って良いだろうそこは、カンパネラの行事が行われるのにかこつけて、商売をする者達もいる。大きなイベントが行われる土地では、時折見られる光景だ。
 その彼らが、学生や関係者向けの商品を運ぼうと、輸送準備を整えていた時だった。

 しゅぉぉぉぉん‥‥。

 曇天の空に、突如巻き起こる風の音。まるで、噴射口から聞こえるジェット音だ。何事かと人々が見上げる中、空はまるで渦のように、周囲の雲を巻いていた。
 その雲の、中心部から現れたもの。それは、深い藍色の機体。突然の事に、人々は動けない。それを好機と見たのか、その藍色の機体は、片手を上げて合図した。
 と。

 ‥‥ドォォォォォンッ!!

 盛大な振動が地面を揺らす。直後、人々の足元がぽっかりと陥没し、そこから7mはあろうかと言う巨大な‥‥と言うほどのワームが姿を現す。
 それは、ちょうどミミズを巨大化させたような姿をしていた。かぱりと開いた口は、5方向に開いている。人々はようやくことの重要さを察知したのか、荷物を置いて走り出した。だが直後、逃げ出した人々の正面を遮る様に、傘を閉じた大きなキノコのようなものが突き刺さる。驚いて立ち止まってしまう人々、そこへ、その毒々しいキノコを処刑台がわりにするつもりなのか、傘の上に藍色の機体が降りたった。
「‥‥お前達は、贄だ」
 中から聞こえてきたのは、機械的な音声。直後、機体から突然のブリザードを引き起こし、人々へと食らわせる。その背後の建物ごと。
「スノーストーム‥‥」
 誰かがそう言った。雪嵐の名を持つ『それ』の攻撃は、元々かなりの低温にも耐えられるはずの北の家々を、凍りついたまま崩壊させている。
 そこへ、聞きつけたUPCがかけつけた。中にはAUKVを見に付けた学生もいる。しかし『それ』は、そんな彼らに迷うことなく突き進んで行き、彼らの鎧へと一撃を食らわせる。鎧を失った彼らに、今度は巨大ミミズが襲い掛かった。それを皮切りに、タシーラクの町は、一気に最前線と化す。
 中には、果敢にスノーストームへ挑むものもいるが、30秒と持たずに病院送りとなっている。どうしてそこまでのダメージを食らったのかわからないままに。
 けっして防衛線がおろそかになっているわけではなかった。スノーストームはこちらから仕掛けない限り、積極的に出ては来ない。その間に形勢を立て直そうとしているのか、周囲が乱戦になっているだけだ。
 時に巨大ミミズとやりあい、時にキノコとやりあう。そして隙間を埋めるようにキメラやワームが立ちふさがっているその光景は、まるで宣戦布告直後のよう。
 スノーストームは、見渡す限りの光景がそうなっているのを確かめると、満足げに頷いて、再び上空へと舞い上がった。
 そこには、まるで『それ』の住まう城を形成するように、氷のブロックにも見まがうような色をしたサイコロ型ワームが、天空を覆っていたと言う‥‥。


OP執筆 : 姫野里美
Event illust : はがわ  

■解説

基礎情報 グリーンランド戦略図および敵味方戦力分布

追加情報1 グリーンランドの実情
追加情報2 メイズリフレクターについて
追加情報3 リプレイ漫画について
追加情報4 マインドイリュージョナーについて
追加情報5 第1回戦功一覧
追加情報6 第2回戦功一覧
追加情報7 負傷者情報(12月18日時点)
追加情報8 受勲者情報(12月18日時点)

龍堂院 聖那

イラストレーター : はがわ

皆さん、お疲れ様でした。
タシーラクは未だ前線のまま、これからも一悶着ありそうですが、
とりあえず一段落、といったところでしょうか。
ですが、スノーストームや、MR、MIなど
未だ人類にとっての脅威は後を絶ちません。
皆さんのご助力、これからもよろしくお願いします。

あ、学生の皆さん。
会場が使えないため、入学式は学園に帰ってから、
行うことになりました。
時間もあまり取れないので、参加できる人だけ、
となってしまいましたが、ぜひ一緒に楽しみましょうね♪
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初心者歓迎?! チームを組んで作戦に挑め!
そこのあなたっ!準備は大丈夫?
CTSチャット運営中。連日大盛況?!
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