ボリビア防衛作戦
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――第2フェイズ統合情報

●コロンビア:死守命令
 コロンビアに駐留する南中央軍は、傭兵と共にバグア・ベネズエラ軍に善戦した。
 しかし、その第一波を食い止めることには成功したものの、正規軍部隊の多くは戦闘継続不能となり、小型飛行空母ブリュンヒルデは大破。アンデスを越える事が出来ずに山裾の小都市サン・ホセ・デル・グアビアレ近郊に停泊している。対するバグア側は東部上空に停止したギガワームを中核に、コロンビア全土の制圧へ悠々と着手する‥‥かに見えた。
「ギガワーム、南下を開始したの」
「‥‥え?」
 白瀬・留美少尉の報告に、ブリュンヒルデ艦長のマウル・ロベル少佐は驚く。バグアがもう一押しすればボゴタ、メデジンも陥落を余儀なくされているだろう状況で、方針を変える理由が、一瞬判らなかったからだ。その訳は、低い男性の声で彼女の元に届いた。
『こちら、ユニヴァースナイト。ホラディラダムの攻略は成功した。繰り返す、ホラディラダムの攻略は成功した』
 ミハイル・ツォイコフ大佐からの知らせに、彼女はほっと一息つく。ベネズエラ国内、ネブリナ山にある巨大砲『シパクトリ』のエネルギー充填の手段は、これでなくなった筈だ。ボリビアまで射程に収めると豪語していた巨砲が沈黙したことで、バグアは直接ボリビアを攻撃せねばならなくなったのだろう。それも、早急に。
「ギガワームの進路上には、アクレのクルゼイロ・ド・スゥル基地があるの」
 留美が口にしたのは南中央軍の最大の拠点だ。守備兵力も、コロンビア駐留の全軍を凌駕する。そこに傭兵の補助戦力が加われば、いかにあのサイズのギガワームといえど、容易には抜けない筈だ。だからこそ、バグアもコロンビアを先に制圧しようとしたのだろう。
『ネブリナ山のシパクトリはいまだ健在だ。発電施設を失ったとはいえ、ベネズエラは豊富な資源を持っている。放置すればすぐに復旧される可能性が高い』
「判っています。」
 ユニヴァースナイトは、この状況でもネブリナ山攻略作戦を継続する必要があった。ダム攻撃に際して、ヴァルトラウテは、ブリュンヒルデほどではないにせよ相応に損傷し、念のためマナウスに引いている。
 理由はきっとそれだけではないだろう、とマウルは思った。離れた戦線で見ていてなお、敵の動きには何か引っかかるものがあるのだ。正面で戦っていたツォイコフには、何かが見えているのだろう。
『敵が南下するということは、そちらに向かう敵は少ない筈だが‥‥。弐番艦が太平洋から向かっている筈だ。合流まで、持ちこたえてくれ』
 旗艦のギガワームが南下を始めたとはいえ、西部を目指す敵はまだ多い。先に出された命令が残っているのかもしれない。動けぬブリュンヒルデで出来る事はそう多くは無いが――。
「了解」
 短く答えたマウルに、大佐は重々しく頷いてから通信を切った。


●マナウス:艦長席の不安
「艦長、報告書置いとくぞ」
 ブリッジに立ち入ったジェームス・ブレスト大尉は、手にした書類を艦長席の脇に置いた。
「あ‥‥はい」
 生返事が返る。ビビアン・O・リデル中佐は努力家だった。時間があれば資料を手にする姿は、艦橋であっても変わらない。ヴァルトラウテに配属になったばかりの頃は驚いたジェームスだったが、艦長になるにはそれくらい努力が要るのだろうと納得していた。努力とか友情とかは嫌いじゃない方だ。
「んじゃ、またな。シャワーも夕食も終えたし、ちょっと寝てくるぜ」
 背を向けた青年に、ビビアンは小声で問う。
「‥‥ジェームスさん。敵はどう動くと思いますか?」
 大きな戦闘を経て、少し落ち着いたようだが、その声はまだか細い。か細いが、震えてはいないな、とジェームスは思った。陸戦隊長で年の近いマチュア・ロイシィの役どころじゃないか、とも思うが、単独任務から戻ったばかりの彼女を叩き起こすのも申し訳ない。結局、彼はぶっきらぼうにこう答えた。
「判らん。考えるのは俺の仕事じゃないしな」
「ですよね。でも、多分すぐに動いてもらうと思います。休憩は、無しです」
 ぱたん、と資料を閉じてビビアンは視線を上げる。まるでそれを待っていたかのようなタイミングで、レーダー室が報告をあげてきた。
「レーダーに感。本艦のレンジ一杯‥‥、HW、おそらくは少数」
「多分偵察です。多分ですが‥‥」
 そこまで聞いたときには、ジェームスは肩にかけていたジャケットにもう袖を通していた。駆け出しながら、ビビアンに親指を立てる。
「足で調べてくるのが、俺たちの仕事。だろ?」
「はい。お願いします」
 ハーシェルという前面の盾を失い、ネブリナ山の要塞が危機にさらされている現状。敵が取りうる可能性としてマナウスへ圧力を掛ける、という物は思い浮かんでいた。だから、ヴァルトラウテを下げる事を具申したのだが。
(この予想は当たった。次は、どうだろう‥‥)
 偵察の後は、少しして攻撃が続くのだろうとは思う。しかし、そう見せかけてネブリナ攻撃の兵力を分散させる罠かもしれない。ビビアンは、不安を紛らわすように書類へ再び手を伸ばした。
「‥‥?」
 ジェームスの持ってきた書類の一番上に、几帳面な字のメモ書きが挟まっている。
『食事を忘れぬよう』
 副長のチャールズ・ハイデマンの顔がパッと脳裏に浮かんで、彼女は知らず微笑した。緊張するな、と告げた傭兵の声を思い出しながら、シートから立ち上がる。背中の骨が、ばきばきと鳴るような錯覚。
「‥‥食事を取ってから少し仮眠を取りますので、後を頼みます」
 ブリッジクルーにそう宣言した。ここまでがすべて敵の計算どおりでも無い限り、あと数時間は敵の攻撃部隊も編成できないだろう。この予想はきっと、大丈夫。彼女はなんとなく、そう思う事にした。



追加情報7 第2フェイズ選択肢詳細※9月14日追加
追加情報8 第2フェイズ、敵NPC動向※9月14日追加




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