五大湖解放戦
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【ギガワームを止めろ!】
 オヘア空港まで後数キロ‥‥と言うポイントに、200人近い傭兵達が集まっていた。もし、ワシントンからここへ来るとすれば、必ず通るだろうと言う場所。既に、UPCの警告が鳴り響き、かすかにキメラの羽音とも取れる異音が聞こえてくる。
「ふっ、新型にギガワームか。ずいぶんと焦っているじゃないか? ブライトン」
 知り合いと言うわけではないが、ライバル視はしているらしき司令∀(ga6834)はそう呟く。そして、遥か彼方に現れたその巨体を確認すると、配下である護龍隊に、こう命じた。
「各位、フォーメーションは通達した通りだ。全力でキメラとワームの掃討にあたれ!」
「了解。特殊電子波長装置、展開します」
 レーヴェ・ウッド(ga6249)がコクピットの中で機械を動かす。反応するように、攻撃を開始するキメラ達。
「護龍F隊、前方よりキメラ。お願いします」
 同じ様に、レーダーを凝視していたルミナス(ga6516)が、チームメイトに指示を飛ばす。こうして、左右両翼にL、R。前方にF隊を配置した護龍各員の射程圏内に、キメラを伴ったワームが押し寄せてきた。
「残念ながら‥‥‥‥人はそう脆くはありませんよ、博士」
 そのルミナスを援護していたアダム・S・ワーナー(ga6707)が、ミサイルを敵の群れに向かって放った。同じ様に、シアン・オルタネイト(ga6288)もガトリング砲を使う。だが、さすがに無傷とは言わず、ユーニー・カニンガム(ga6243)とノエル・イル・風花(ga6259)が強制帰還送りだ。
「博士。それは神の雷ではありません。貴方の、傲慢の象徴でしかないのです」
 真なる神の雷はこっちにあると言わんばかりに、絢文 桜子(ga6137)がそう言って、仲間の作り出した隙に、G放電管を浴びせかける。動きの止まるワーム達。
「八咫烏01より各機へ。全機突入!」
 そこへ、叢雲(ga2494)率いる八咫烏が襲い掛かった。スピードを落とさず、団体さんでつっこんで行く彼ら。
物量に押されて道を開けるワーム達に、彼らは次々と砲撃を浴びせて行く。だが、後衛組である秋月 祐介(ga6378)と一条 かがり(ga5193)を守ろうと、小隊長のミハイル・チーグルスキ(ga4629)が突撃をかけて帰還レベルに。そして当初から多少の無茶は覚悟の上だと言っていた劉・黒風(ga5247)もまた、強制帰還だ。
「一体一体、確実に――な?」
 無理をすれば自分に跳ね返ってくる。そう確信したケヴィン・ウェーラー(ga2524)、そう言って手前から順に、KVスピアで串刺しにしていくものの、いつの間にか敵の懐深くに潜り込んでしまっていたらしい。やはり強制送還の憂き目に合ってしまう。
「オラトリオ1より各機へ。矢型陣形を維持。長期戦が予想されます。無理はしないように」
 天上院・ロンド(ga0185)が、そう言って、部下達に指示を飛ばす。しかし、そう言って部下達が仕事しやすいように、敵の只中へ突っ込んで行った彼自身が、やはり重傷を負ってしまった。
「ヘイ! ユー!! スティングレイなら海に行け!」
 現場で即席チーム【R】を組んだジョニーが、まるで銃口を向けるかのように、攻撃を開始する。その無謀な攻撃に、雨宮慶(ga4715)が援護しますとばかりに割り込む。しかし、やはり2人とも怪我を負っていた。
「機体がヤバくなった機体は、さっさと戻りな! SESヴィィィィィィィィィィム!!!!!」
 多少巻き舌気味に、G放電管を放つ彼女。何匹かのキメラが生贄になったが、さすがに中型以上ともなると、それでは倒れない。その中型は、彼女ばかりではなく、周囲にいた数名をリタイアさせてしまう。
「ふぁ〜、大きいですねぇ〜。いっぱい出て来ましたー」
 ギガワームの腹から、複数のワームが出てくるのを見て、カルル・ローディス(ga6826)がジャミング能力を起動させる。寄って来るキメラこそ、レーザーで撃ち落としているが、極力逃げ回っている御仁。しかし、うっとおしいと感じたのか、ワームがこちらにやってきた。
「はーーはっはっは、少しでも撃墜者を出させないために僕は居る!」
 自信たっぷりに高笑いした竜之介(ga4690)が、援護に向かった。特に防御を考えていなかった竜之介、カルルの代わりに迎撃されてしまう。
「単機では落とされるのが落ちだ。即席でも良い! 近くにいる奴とチーム組んでおけ!」
 時任 絃也(ga0983)が、自身の周囲にチームを組んで居ない機が少なくない事を知り、そう提案する。だが、援護を行いながらの指示では、自身の機体がピンチに陥っていた。
「ばっ‥‥かやろっ! くそっ、間に合うか!?」
 日乃 晃(ga1085)が機体を急降下させながら、回収へと向かう。煙を上げる時任の期待に近寄り、空中で人型へと変形した彼は、地面すれすれで受け止める。そのまま、ブーストを吹かして激突しないようにした所、ネーヴェ(ga6502)の機体が寄ってきて、安全を問うた。
「ああ。おい、生きてるか?」
「あちこち痛いが、何とかな‥‥」
 コクピットから、しっかりした声が聞こえる。一安心だと思ったネーヴェ、2人を後方へと避難させる。
『UPCより各機へ。雑魚には構わないで。後方のギガワームだけを相手にして下さい』
 本部のミクから通達が入る。どうやら、親玉だけを相手にしたいらしい。そうして、ワームとキメラの通行を、本部の指示通りスルーする傭兵達。
 そして。
「さてさて、爺の鼻っ柱を折りに行きますかねっと」
 F・Fsの吾妻 大和(ga0175)と間 空海(ga0178)が、プロントン砲の照準をひきつけるべく、切りこみにかかる。だが、ギガワームの砲台はそればかりではない。ブーストで回避するものの、避けきれず被弾する両機。代わりにミサイルを全弾発射するものの、盛大な煙を上げただけで、ギガワームは以前健在だ。
「足止め部隊の邪魔はさせません! ブルーレパード隊、岩龍を落とさせないようにね!」
 霞澄 セラフィエル(ga0495)が、アリオノーラ・天野(ga5128)以下数名と共に、援護に入った。ギガワームに向かうKV達の邪魔をするキメラやワーム達を、順次落として行くのがその役目だ。オタワ空港やシカゴに向かう連中は放置だが、天野もジャミング範囲を出来るだけ広げる等して、何とか僚機をギガワームに向かわせようとする。衝撃で怪我はするが、そんなものは我慢の子だ。
「此処が正念場、どうか無理せずに‥‥!」
 そこへ、私設補給部隊『蓬莱』を指揮する春原 庚(ga7093)から、下がるよう要請が入る。彼女自身は、岩龍のジャミングを広げているが、その両翼に広がる部隊は、補給物資を山ほど抱えていた。
「隊長、危ない!」
 邪魔なジャミング発生装置は落としておくべきと考えたのか、その補給部隊を狙うワーム。しかし、蓬莱もそのあたりはしっかりと考えている。庇うように間へ入る一条 昴(ga0500)。強制帰還組に入ったが、補給物資は無事のようだった。
「愛莉にお任せ♪ 愛莉の可愛さはギガ・ワームに効果があるって、前回証明済なんだから!」
 神崎・愛莉(ga3993)がそう言いながら、手を振るように、KVを左右に振って、ギガ・ワームの気を引いてみる。が、反応はなく、代わりにぶん殴られてしまった。
「えーん。愛莉の可愛さにはギガ・ワームだって夢中のはずなのにー」
 泣きべその愛莉ちゃん。と、そこへ藤村 瑠亥(ga3862)がこう言った。
「フォースフィールドで壁でも作っているのさ。回りにいる単機は、あの壁を破るのに手を貸してくれ。一斉攻撃だ」
「よぉし、ギガだろうが、テラだろうが、ワーム一つ止められなくて何が能力者だ!」
 角田 彩弥子(ga1774)がそう言って、ギガワームの後ろへ回りこもうとする。だが、直径数キロにも及ぶワームは、一筋縄では回りこませてもらえず、怪我をしてしまう。
「いーぐる、しゃーく、ぱんさー。合わせて三つ。これがホントのさ‥‥おわっ」
 それぞれ動物の模様を落書きしたバルカンを、ギガワームに向けて放つ朏 弁天丸(ga5505)、しかし、最後まで言い切らない内に、攻撃を受けてしまう。
「久遠、死ぬなよ!」
「黒塔君、最後まで一緒ですよ!」_
 危機感を感じたらしい黒塔 美鬼夜(ga6975)と紫悠・久遠(ga7074)が互いにそう言いあっている。久遠がスナイパーライフルで撃ち、そこを黒塔が人型で切り込む。だが、程なくして敵に囲まれ、2人仲良く強制帰還だ。
「シスターだからって、天国に連れて行きませんから安心して下さい」
「こっちだ。助けてやるからよ」
 その怪我をした御仁は、シスター・マリィ(ga6992)と、見習シスター・レベッカ(ga7186)が順次回収して行く。出なければ、機体使用不可がもう少し増えていた事だろう。
 こうして、激戦は長く続いた。おかげで、援護していた軽井 羽澄美(ga4848)、それにDelta隊の宵谷 香澄(ga4626)も、敵の目を自分達に向けさせ、白兵戦を挑むと同時に、被弾多数で病院送りになっている。
「目標、なおも健在。シカゴまで距離がありません。皆さん、何とかして止めてください」
 ギガワームの動向を監視していたリーゼロッテ・御剣(ga5669)が、情報網『天の糸』を使って、傭兵達に呼びかけている。それを受けて、傭兵達は再びギガワームへと攻撃を開始する。
「霽月姉さん、賭けだ。生きた奴が菓子おごりだぞ!!」
「聞いてないわよ!」
 中には、霽月(ga6395)とフィーロ(ga7235)のように、賭けに出るものも現れ始めた。もっとも、この2人は仲良く兵舎直行なのだが。
「仲間を落とさせるわけには行かないんだよ!」
「目標捕捉。【威警】は牽制を開始する」
 マスマー(ga6680)のいる天衝隊『蒼翼』、そして空禅(ga4927)のいる『威警』が弾幕を張り、王 憐華(ga4039)率いる『紅天』の突入する隙を作った。
「心だけは折らせず死なせず、そして勝つ! 血路はあたし達が開くから!」
 同じ紅天の葵 宙華(ga4067)が、天の糸を通じて激を飛ばしていた。それを受けて、龍零鳳(ga2816)の所属する『朱翼』が、両側から同時に攻撃を仕掛けている。激しい衝撃に、次々と被弾する彼ら。それを見て、キョーコ・クルック(ga4770)がこう言った。
「第一目標は生還することだ! 勝手に墜ちるんじゃないよ!」
 彼女の所属する緋隊もまた、同時攻撃を仕掛けようとしている。タイミングを合わせるように、隊長の霧島 亜夜(ga3511)が叫んだ。
「『緋色の閃光』全力全壊! キャノンクラッシャー!!」
 5本の閃光が、ギガワームへと襲い掛かる。衝撃に、それぞれ何処かをぶつけてしまう彼ら。怪我をした者もいるようだ。
「ギガワーム、速度低下。各自、確認を急いで」
 天の糸を指揮する【天神】の隊長、桜神羅 乃衣(ga0328)が、速度を計算すると、総隊長殿に報告している。
「今です、中佐! 各位、無理せず後退しろ。チャンスはある!」
 それを受け、当の隊長殿‥‥漸 王零(ga2930)は、直ったばかりの機体を駆り、道を開けるよう指示を出す。
自身が落とされた経験上、隊員達に無理はさせられないから。
 そして。
「どけ、傭兵ども! 当たっても知らないからな!」
 盛大な光の束が、ギガワームに向かって放たれる。今度は、翼を焦がされる者などいない。焦がされたのは、ギガワームの方だ。
「来るわよ!」
 そのギガワームのプロントン砲が、白く煌いた。緋室 神音(ga3576)が警告を叫ぶ中、奔流が周囲を焼き焦がす。
「UK被弾! 左翼が!」
 【奔神】の小隊長、斬皇樹(ga4701)が悲鳴じみた報告を返してくる。見れば、UKの左側の翼から、盛大な煙が上がり、ゆっくりと高度を下げて行くところだ。
「よくも! 受け取れ、デカ物!」
 動きの止まったギガワームに向けて、御山・アキラ(ga0532)が、M12帯電粒子加速砲をプロトン砲部分向けて撃ち込む。ハルトマン(ga6603)が、至近距離から撃ち込み、やっぱり落とされている。
「ハイエナ隊、ただで落とされるつもりはない。暴虐には暴虐を、さ・・・」
「了解。デカブツに突っ込むぞ!」
 プロントン砲は巨大だ。チャージにはそれなりに時間がかかるだろう。そう思った傭兵達は、いっせいにギガワームへと取り付く。スヴェトラーナ・王(ga4482)率いるハイエナ隊もその一員だ。
 だが。
「く‥‥。ワームが!」
 甲板に下りようとした彼らを待ち受けているのは、護衛のワーム達。傭兵達と同じ様に、近くに寄れば親衛隊も増える。手ひどい歓迎を受ける彼ら。それは、隊員達も同じだ。
「懐に入れば‥‥と思ったんだけどね」
「素直には、破壊させてくれませんか」
 特にユノーナ(ga2304)、ウェンディゴ(ga4290)の被害が酷い。機体損傷率が7割を超え、やむなく脱出する彼ら。
「よし、プロントン砲を使いものにならなくしてやれ」
「了解。発射口を使い物にならなくすればいいんだな」
 それを見て、花火師ミック(ga4551)、大和長門(ga7140)が、自身の最大威力を誇る武器を、プロントン砲の内部へと打ち込んだ。
「ぐはっ。やっぱり無茶だったか」
「すみません、後お願いします」
 が、その刹那、ヘルメットワームの歓迎を受け、メイン武器を使い終わり、特攻をかけた状態となった2人は、あっという間にたかられてしまう。それでも、フレア弾の盛大な熱量が上がる中、Simorgh隊のレティ・ヴェルフィリオ(ga0566)がこう誘いかけた。
「Simorgh4より周囲のKV部隊へ、一緒に危ない橋渡ろうよっ!」
 【ファフニール】【ならず者】小隊の各機が、彼らに突入の道を作る為、それぞれの手段で攻撃を再開していた。だが、侵入させてなるものかと、隊員のうち数名‥‥紅露(ga4649)、チョ(ga4920)、沢村 五郎(ga1749)、R.R.(ga5135)が、落とされていた。怪我をした者も多い。皆、それぞれの武器を持って、ギガワームに接近しすぎて、落とされてしまったようだ。後先考えずに特攻の道を作るのは、中々に難しいと言うところだろう。
「く、このままでは迦楼羅の翼も折られるな‥‥。蒼帝各員、援護に入れ!」
 小隊長のOZ(ga4015)が、慎重に行動するよう通達する。そのおかげで、彼を含め、隊員達も、何とか怪我をする程度で済んだようだ。
「これ以上、前進はさせん」
 そんな中、【迦楼羅】隊長、煉条トヲイ(ga0236)が、狙いを沈黙したままのプロントン砲へと定める。とは言え、向けるのは銃口ではない。
「小隊長殿も無茶をする。一寸法師作戦‥‥とでも、命名すべきかね?」
 リャーン・アンドレセン(ga5248)が、その突入口を支援するべく、煙幕を広げた。視界が隠される中、ノビル・ラグ(ga3704)と、アリス(ga1649)が、自らのメインウェポンを撃ち込んでいた。衝撃であちこちが痛むが、仕方が無い。
「よし。悪魔の腹の中で、地獄巡りがしたい者は俺に続け!」
 トヲイが人型へと変形し、プロントン砲の中へと進入する。続くのは、水理 和奏(ga1500)、葵 コハル(ga3897)、蓮沼千影(ga4090)他、手の空いている者達だ。
「危険だけど‥‥みんながいるから頑張れる! 中佐の所へ行かせないんだからっ!」
 意気込みの盛んな和奏。搭載したロケット砲を、周囲へとぶつけている。背中に陣取ったコハルもだ。しかしその刹那、不法侵入者を排除しようと、ガードらしきキメラや謎のメカが、四方八方から、彼らを取り囲んだ。
「今までで一番危険だが‥‥俺は死なない。落とされない!!」
 蓮沼千影(ga4090)が人型に変形して壁を壊している。しかし、中身もまた外壁と同じく、頑丈に出来ているのか、蹴っても切っても壊れない。
「こんなものか。皆、脱出するぞ!」
 その千影の機体から、煙が出ているのを見て、トヲイはそう言った。自身も既に損傷率が7割を越えている。同じ様に甚大な被害を食らったコー(ga2931)が、「了解。第3フェイズ終了、これより帰還します」と、ブーストを吹かした。
 ギガワームが、UKのジャミング範囲外へと後退したのは、彼らが脱出してから程なくの事である。  だが、向こうの損傷は砲台を一つ潰され、装甲を削られたくらい。大して重傷・大破者多数と、傭兵達の被害は思ったより甚大だった‥‥。

<担当 : 姫野里美>


 シカゴへと向かう陸軍の前に突如現れた敵。
 リリアン・ドースンという名の少女が乗り込んだ『ステアー』、そしてその背後に付き従うゴーレム達。
 彼らの出現と、無線から入った彼女の声に動揺を走らせる傭兵達。
 悲しみと怒りを乗せた鬨の声を背に、戦いの火蓋が切って落とされた。

●蒼き空
 ステアーという新たな敵を前にして一瞬足を止めた陸軍。
 そこに突如、一筋の光が戦場を駆け抜けた。
「なにっ!?」
「ステアーだ! プロトン砲撃ってきやがった。まだかなりの距離があるってのに‥‥被害はどうなった!」
 虚を突いたステアーの超長距離攻撃に部隊内で戦慄が走る。部隊間の無線が錯綜し、情報がもたらされる。
部隊に被害無し、敵の攻撃は狙いをつけて撃たれたものではなかった様だ。
「だが‥‥」
 物理的な効果はなかった攻撃、しかし戦士達の心に大きな衝撃を与えるには十分過ぎるほどの一撃だった。
この動揺の隙にバグア軍側が攻勢に出ることとなり、連携を乱された傭兵達は戦線を押し下げられる形となってしまう。

 押し寄せるキメラとワームの群れ、大部隊の月狼を中心に傭兵達が迎撃に出る。
 遠距離から放たれるタートル・ワームの砲火を掻い潜りながら、獄門・Y・グナイゼナウ(ga1166)がチームたそがれの仲間と共に空を翔る。
「これだけ多いとどれを狙うか目移りするねェー」
 獄門はそう言いながら操縦桿を捻る。機体を傾けながら目前に迫ったキメラに攻撃を加え、
撃墜を確認せずに次の相手に向けて再び引き金を引く。計器にはひしめく敵の群れでもはや当てにならず、
経験と勘のみでの戦闘となっている。部隊シャスール所属の須佐 武流(ga1461)も同じく高機動戦闘を行っており。
敵に向けてガトリングを掃射し、崩れた陣形に向けてレーザーとミサイルの雨を降らせる。
「ワームだろうがステアーだろうが‥‥追従してやらぁ! 俺が限界を超えてやる!」
 前方に立ち込める煙を突き抜けて、KVが白い線を青き空に彩る。
その足元で、二階堂 審(ga2237)が地表に群がるキメラに特攻を仕掛け、それを彼が所属する部隊旅風のメンバーが援護。
急降下で速度が乗った機体を変形させ、勢いそのままに、牙を前方の大型キメラに突きたてる。
「これでも喰らうがいい! サイエンティストドリル!」
 血肉を弾けさせながらキメラの体に巨大な穴を穿つ。機体の重みが地面を抉り、二階堂の機体が動きを止めてしまう。その隙を突いてキメラが襲いかかる。瞬間、キメラが横に吹き飛ぶ。ガンアンツ所属稲葉 徹二(ga0163)の扱うハンマーボールの一撃だ。
「あぶなかったでありますな」
「零距離ライフルの出番が取られたな‥‥ま、礼は言っとく」
 軽く無線で言葉を交わして二機のKVが動き出す。別部隊同士が時に庇いあい、また互いの背中を預けて敵を駆逐していく。
 傭兵達の奮闘が、下げられた戦線を微かに前へと押し返し始める。

●紅き空
「さて。いい加減亀の面も見飽きましたし‥‥8246小隊、行きますか!」
 戦線が進むにつれ、タートル・ワームの砲撃が密度を増す中、8246小隊を指揮するリディス(ga0022)が仲間達に声をかける。
「おう、これ以上ヤツラの好き勝ってやらせるかってな!」
「了解! 遅れずに付いて行きます!」
 佐間・優(ga2974)と綾峰・透華(ga0469)をはじめ、吶喊するべく部隊が陣形を立て直す。同時に、周りの傭兵達がそれに合わせて援護攻撃を開始する。名も知らぬ仲間達の援護を受け、8246小隊が弾丸の嵐の中を突き進む。計器がけたたましくアラートを鳴らすのを聞き流し、敵の砲撃を紙一重でかわし抜ける。
「っ!? 今、機体を掠ったぞ!」
「直撃だけはするなよ!」
「亀を潰すまで死ねるかよ!」
 ブレイズ・カーディナル(ga1851)が仲間の言葉を笑い飛ばし、遂に敵の懐へと飛び込む。綾峰を先頭に小隊の連携攻撃がタートル・ワーム達を打ち崩す。
「よし、月狼隊も続く! 月狼爆撃部隊、出番だ!」
 月狼隊のエリク=ユスト=エンク(ga1072)がこの隙を逃さず無線で叫ぶ。
「煙幕用意! 突撃開始!」
 同じく宗太郎=シルエイト(ga4261)も指示を飛ばし、タートル・ワームの砲撃を引き付ける。部隊が煙幕を放ち、突撃した部隊はその中を潜り抜けるように飛びぬける。爆撃部隊はこの仲間の援護を受けて爆撃体勢に入る。本来、命中させるのが困難なこの爆撃攻撃を、月狼隊は見事なコンビネーションで成功させる。他部隊達との連携も加わり、一気に傭兵達優勢に戦況が傾いた。
 しかし――――

『な〜んか調子に乗ってんじゃな〜い?』

 無線に少女の声が響き渡る。
 ステアーの動きに気づいたルアム フロンティア(ga4347)、神塚獅狼(ga6742)の両名が動く。
 傭兵達の目前に光が迸り、直後に爆発が巻き起こった。
「く‥‥すまない、機体がもたない‥」
「お嬢様‥申し訳ありま、せん‥‥っ‥」
 彼らの機体が炎を上げ地面へと吸い寄せられる。
「ルアム!!」
「神塚!?」

●白き空
『ステアー』 シェイドと同じフォルムを持つ機体。リリアン・ドースンが操る兇鬼。

 傭兵達の間合いへと突如接近したこの悪魔に、傭兵達の総攻撃が掛けられた。
 全弾が命中し、攻撃の中心地で煙が立ち込める。
「や、やったのか? ――――いや、確認のためにも‥‥」
 ステアーを取材しようと企んでいた影守・千与(ga4725)とルュニス(ga4722)がこれに近づく。と――――
「‥‥え?」
 煙の中から飛び出す影。両機が一瞬にして炎を上げる。煙をなびかせながら、ステアーが傷一つつけずにそこに存在していた。
『仕留めた――――って思っちゃった? あはははっ! 貴方達の攻撃なんかが、このステアーに届くはずないでしょ!』
 無線から流れる不遜な台詞に傭兵達に戦慄が、そして怒りが湧き起こる。
『悪いけど、貴方達の舞台はここまで。ここから先は通行ど―――!?』
 通行止め、そう言おうとしたリリアンの台詞が遮られる。
「リリアンと言いましたか―――申し訳ないですがここは通して貰いますよ‥‥」
 それを行ったのは、月狼隊隊長、終夜・無月(ga3084)の攻撃だった。
『―――通れるものならね?』
 余裕を込めた声で答えるリリアン。
 傭兵達の中に浮かびかかった恐怖は終夜の働きによって掻き消され、再び戦場が動き出す。

 時間は少し遡り―――
 傭兵達が奮闘する戦場を少し下がった場所で、別の戦いが繰り広げられていた。
「救護班! 急げ! 回収班がもうすぐ到着するぞ!」
「こっちの方も手伝ってください! 治癒練成が間に合いません!」
「麻酔はまだ届かないのか!」
 補給整備、そして負傷兵が運び込まれる臨時の野戦基地。簡易テントで作られたその空間には油と血の匂いが立ち込めていた。
 能力者たちの治癒能力を借りても間に合わぬほどの傷を負った戦士達が運び込まれ、苦しみにうめき声を上げている。
「誰も‥‥誰も死なせはしない!」
 パティ・グラハム(ga7167)が先ほど運び込まれた重傷者の治療に専念している時に、その報せが届く。
「おい! あの敵の新型にやられた傭兵達がこっちに運ばれてくるぞ!」
 佐伯 峰雪(ga4819)がテントの幕を開けてその報せを持って飛び込んできた。
「何人ですか?」
 パティと共に治療を行っていた月森・ミューカ(ga4776)が尋ねる。同じ場所に居合わせたシャロン・シフェンティ(ga3064)や他の傭兵達も治療を行いながら耳を傾けていた。
「‥‥重軽傷、合わせて十人以上いるらしい」
 菜姫 白雪(ga4746)から受け取ったその情報を月森が口にする。
「え‥‥」
 パティ達がその事実に驚愕している間もなく、負傷者の第一陣が運び込まれてくる。

『くそっ、機体が安定しない‥‥不時着させます!』
「後が詰まってくる! できるなら滑走路の横に付けてくれ!」
『了解、やってみる』
「不時着するぞ! 消火班用意しろ!」
 雪子・レインフィールド(ga3371)が機体から煙を上げながら基地の簡易滑走路に不時着をする。瞬時に大田川・龍一(ga0260)ら機体整備班が飛び出して消火活動を開始する。
「機体は‥‥直るのか?」
 救護班に機体から降ろされながら、雪子が口にしたのはその言葉だった。
「見てみないと分からないが―――ここまでやられると、難しいな。それよりも、自分の怪我を心配しろ。こっちは俺たちが何とかする」
 整備班にすまない、と一言残して雪子は救護班に運ばれて行った。残った整備班達は機体の損傷度をチェックし始める。
 ステアーにやられたと知らされていたが、その惨状が目に浮かぶような壊れ方をしていた。双発のエンジンは片方が完全に潰されており、尾翼にいたっては最早動かない状態であった。装甲もめくれ上がるようにして剥げ落ちている。
「なんてヤツらと戦っているんだ、私たちは‥‥」
 シイナ・ライティエッタ(ga6544)がそう呟くのを傭兵達は何も答える事ができなかった。

 ―――その頃、ステアーとの戦闘は。
「IMP各機へ、攻撃目標ステアー。攻撃を開始してください!」
「了解!」
「いくわよ! IMPの実力、見せてあげるわ!」
 部隊長である緋霧 絢(ga3668)の指示を受けて部隊員達が攻撃を仕掛ける。多人数で息の合った連携攻撃がステアーへと放たれる。
 しかし、その攻撃を慣性制御を使った機動力で容易く避け切られ、更に攻撃を避けられた隙にステアーが反撃する。非実態剣が容赦なく振り下ろされ、IMP隊の何機かが損傷を負ってしまう。
『鬼さんこちら〜ってとこかしら? でもそろそろ、鬼ごっこも飽きてきたし―――こっちからも仕掛ける、ねっ!』
 そういうとステアーは戦闘機形態に変形し、IMP部隊を追撃し始める。初めに狙われたのは小田切レオン(ga4730)の駆るKVだった。小田切は操縦桿を細かく動かしながら振り切ろうとするが機動性では完全にステアーの方が上である。振り切るのを諦めて小田切は煙幕銃を放つ。一瞬、リリアンの視界が遮られる。
『煙幕‥‥上だね?』
「リリアン。なんでお前みてーなガキが、こんな物騒なモンに乗ってんだ!」
 小田切はKVを急上昇させ変形、真後ろを追尾するステアーを捕まえようと動く。
 しかし、急激なGに機体が堪えられるはずもない。変形途中に空中で各部が弾け飛んでしまう。
『ステアーは音速で動いてるんだよ? 無理はしない方がいいんじゃないって、言うの遅かったかな〜』
 ステアーを再び変形させて動きを止めるリリアン。
「遅いのはあんたの方よ! これを喰らって無事にいられるかしら? いくわよ、フォーメーション『魔弾の射手』‥‥ブースト、オン!」
『!?』
 決定的な隙を待っていたとばかりにステアーが動きを止めたこの瞬間、ロッテ・ヴァステル(ga0066)率いる魔弾小隊が戦術フォーメーション『魔弾の射手』を繰り出す。月影・透夜(ga1806)、楓華(ga4514)、比留間・イド(ga4664)ら魔弾小隊八名の波状攻撃がステアーに突き立てられる。
 一転集中で打ち込まれたこの攻撃にステアーの片足が粉々に吹き飛んだ。
『なっ! このステアーが、KVごときの攻撃で傷を!?』
「よし。いける! 追い討ちを!」
 更なる追撃を行おうとした瞬間、ステアーが変形する。一体何を、そう傭兵達警戒を高める。が、
『あんたたち! この、この私のステアーによくも傷を! ―――今度会ったら絶対に許さないんだからっ!!』
 突如、無線でそう怒鳴り散らし、ステアーはシカゴ方面へと向きを変えると最大速度で撤退していってしまう。
 あまりに突然であり、逃亡を阻止しようと目論んでいた多くの傭兵達は反応が出来ず、ステアーを逃がしてしまう結果に終わる。

 ステアーの撤退は陸軍の勢いを後押しする形となり、キメラ、ヘルメットワームの大多数を撃退。タートル・ワームも半数近くを戦闘不能にまで追い込み、バグア軍の撤退を余儀なくさせることに成功する。
 押し戻されつつあった戦線を跳ね返し、ついに陸軍は都市シカゴ目前へと迫る。

<担当 : 日乃ヒカリ>



 シカゴ市街地攻略は当初、それほど困難ではないと思われていた。ゴーレムやタートルワームといったバグアの主力と思われる戦力は出てくるものの、ステアーそして到来の可能性があったシェイドが今のところまだ姿を現さないからである。
「でも気をつけて、バグアが何を考えているかまだ分からないから」
 燕中隊及びスワロウ中隊を指揮する藤田あやこ(ga0204)が今回の作戦のために情報提供を呼びかけ築いた燕網、それを通じて全体に呼びかけていた。
「出てこない可能性はどうです?」
 若葉隊を率いる篠森 あすか(ga0126)が隊員の気持ちを代弁するかのように尋ねるが、JAM総指揮の高峰 奏(ga3114)は慎重な姿勢を見せた。
「出てこないに越したことはありませんが、始めから来ないと考えるのは危険でしょう」
「見つけたら必ず報告しますから安心してください」
 城之内ジュリア(ga5527)を隊長とする『ラビットフットβ』は情報収集特化のチーム、絶えず変わり行く戦況を隊長以下四人の隊員が目を光らせている。
「よろしくお願いしますね」
 過去二回のフェイズの経験を元に燕網を設立したマーガレット・ラランド(ga6439)は改めて情報提供を能力者達にお願いする。カルヴァリオ、JAM、イエローマフラー、リンクス、ヒヨコ隊等各チームも喜んで了承した。

 燕網のもたらした効果は大きかった。一つは全体的な戦況把握が出来たことである。シカゴの背後には前回暫定的ながらも修復したメイグス空港を補給拠点とし、各隊あるいは個人単位の補給部隊が待機。燃料、弾薬の補給に操縦者自身の治療を行える体制を整えていた。そして同時に補給切れが起こらないように、各隊長が絶えず連絡を取り合うことで、戦線を維持することが出来たのである。
 二つ目に士気の維持。戦況が見えていることと有利に運んでいることで士気の低下を避けることができた。
 もちろんゴーレムやタートルワームは強い。アグレッシブファングをのせた三連星の一人パワーマン(ga0391)の試作剣「雪村」、同チーム所属の飛呂氏(ga4670)の試作型帯電粒子加速砲を以ってしても、一太刀で切り捨てることは出来ない。だが同じチームの烈 火龍(ga0390)、そして他のチームが協力することで補給、また再度攻撃するまでの状況維持を行うことが出来たからである。
「よし、このまま勝利を手にしよう」
 イエローマフラー司令官、流 星之丞(ga1928)が隊員を鼓舞、それに対し元気に答える隊員達。だがそんな時、今作戦総指揮官であるハインリッヒ=ブラット准将から緊急通信が割り込んできた。
「ギガ・ワームを始めとするワシントン援軍の足止め部隊が薄く、防衛網を突破されたと言う報告が入りました。ギガ・ワームは辛うじて足止めしていますが、多くのヘルメットワームがオヘア空港へと向かっています。それを迎撃してください」
 ここから大きく状況が変わって行った。

 シカゴは完全平定とまではいかなくとも南部は既に解放している。またメイガス空港の修理もあり、補給拠点として機能し始めている。防衛戦をやるのならしばらくは戦うことが出来るだろう。
 しかし迎撃戦となれば話が違う。敵は強行突破を狙う可能性も高いため、攻撃重視でいく必要があるからだ。また戦線が長くなるため維持も難しくなる。味方が補給を受けている間のカバー要員も自然と無理が出てくるであろう。
 だが人類側としてはバグア軍のオヘア空港合流は断固として阻止しなければならなかった。今回のフェイズで重要点はオヘア空港の制圧だからである。
 悩む各部隊隊長、そこでまず城之内が情報を整理する。
「准将からの報告によると、敵は足の速いヘルメットワームのみで構成されているみたいです。そうすることで足並みを整えたかったのでしょう。数までは分かりませんが、足止め部隊もいることですし、始めから大量に来ることは無いかと思います」
 空中戦が主流となるために建築物等の地形効果を効率的に使うことは恐らく不可能。また合流を阻止するためには、それなりに敵を弱体化させるだけではなく破壊する必要がある。そこで【B・B】、リンクス、JAMまた補給部隊としてNEST隊の一部、情報網維持のためにラビットフットβの一部が迎撃に向かうこととなった。

 人手の少なくなった市街地部隊は前線を一部移動、建造物が多く空港に近い位置を戦場に選んだ。遮蔽物が多く、身を守りやすくするためである。
「いよいよ私達の出番です」
 相麻 了(ga0224)率いる率いる自称忍者部隊の【ヒヨコ隊】、そして地形を気にしてきたジロー(ga3426)率いる【孫呉の赤壁】が精力的に活動を開始。お互いの得意分野を活かしつつ敵を弱らせていく。
 防衛のためにと考えて街中戦闘を選んだ人類軍ではあったが、メリットばかりではない。建物など遮蔽物が多くなることで物陰に隠れやすくなるのはバグアにとっても同じだった。また街中で戦闘する以上、建築物への被害は自然と大きくなる。本来シカゴを解放することを目的とするUPC軍、及び傭兵部隊としては苦渋の選択だった。
 まずキメラの早期発見に向けて燕網の再構築をする必要がある。そのために市街地に残ったカルヴァリオ、LuckyDays、若葉隊、イエローマフラー等の比較的多い部隊を中心に、藤田が情報収集を再度呼びかける。
 次に迎撃部隊との情報交換を円滑にするために、ラビットフットβ及びNEST隊にも再度呼びかけを行い、体制を整える。
 その間も攻撃の手を緩めないバグア軍のシカゴ攻撃部隊、そして徐々に近付いてくるワシントン援軍部隊。シカゴ市街地戦はこれからが本番だった。

 バグア軍シカゴ攻撃部隊の中でもゴーレム、タートルワームといった主力は体が大きい。勿論それは生命力が多く、攻撃力が高いことも意味するが、建物の多い市街地でも見つけやすいというメリットがあった。遮蔽物を活かしつつ攻撃を仕掛ける能力者達、それに対しゴーレム、タートルワームのとった行動は、邪魔となる建築物の破壊、そして建物の影に隠れているであろうKVへの副次的な攻撃だった。
 直撃は辛うじて避けても、副次的な攻撃によるダメージは少なくは無い。遮蔽が増えることは増えるが、無理な体勢をとればKVにそれだけ影響が出てくる。だが補給が済むまでの時間稼ぎとしては、それなりの効果を挙げている。様相は持久戦を呈し始めていた。

 一方、バグア軍のワシントン援軍部隊は一部を護衛部隊に当て、強行突破を狙っていた。恐らく、オヘア空港には敵拠点がある事を思わせる動きである。だが、それは同時に単調な動きでもあった。
「元戦車乗りは伊達じゃない!」
 リンクス所属のセルゲイ・バトゥーリン(ga4438)は敵の動きを予測して狙撃を試みる。当たれば一時的ながらも敵の動きは鈍るため、そこを狙って一気に撃墜を狙っていこうという作戦だった。
 しかし、当然護衛に回っていたヘルメットワームも、後方に控えている狙撃部隊に狙いを定める。そしてKVの群れの中に突撃をかけてきた。
 ヘルメットワームからして見れば、目的は一機でも多くの援軍をオヘア空港に到着させることであり、数機がKVの陣形に突撃して掻き回す事はかなり有効な方法だった。陣形を乱せば当然多くのKVが行き場をなくす、そして狙撃部隊の攻撃範囲が狭くなる。また狙撃に成功しても一撃必殺ではないため、十分戦闘空域からの突破が可能だった。
「まずは足止めだ。支援は必ずする、一人一機は止めろ」
 リンクス隊長伊佐美 希明(ga0214)は、使い切ったスナイパーライフルD−02を補給部隊のNEST隊に渡しながら、各員に檄を飛ばす。そして自らは予備のスナイパーライフルで攻撃、織田の三段鉄砲隊さながらの方法でヘルメットワームを狙撃していく。
 しかし、一人一機というのはかなり無茶のある注文だった。ヘルメットワームも大型ではないが、プロトン砲を装備している、当たれば無傷で済むはずがない。
 加えて狙撃部隊は弾丸だけでも補給を貰っている。一方足止めを狙う能力者達は補給を受けている暇が無い、そして下がるわけにも行かない。身をもって迎え撃つしか出来ない。だが、それでも文句を言う能力者は居なかった、現陣形が一番有効だと信じていたからである。
 足止め部隊が狙うのはヘルメットワームの減速だった。ヘルメットワームと言えど、一度停止してしまえば最高速度まで戻るには時間がかかる。また少しでも足を鈍らせれば、それだけでも狙撃はしやすくなる。
「ここらが無茶のしどころかしらね」
 呟くのはBB所属テトラ・シュナウザー(ga0218)、スナイパーライフルのスコープにヘルメットワームを捕捉して弾丸を放つ。だが次の瞬間、彼女のスコープが捕えたものは、彼女に向けられていたプロトン砲の砲口だった。
 一方前線部隊も無事ではすまない。「攻撃は最大の防御」と公言し、手薄な場所のフォローに回っていたリンクス所属不破 梓(ga3236)、「撃って撃って‥‥撃ち貫く!」と積極的に前に出て行った同隊所属大川 楓(ga4011)が一機、また一機と力尽き、倒れていく。
 燕網へと報告するラビットフットβの面々の口調も重い、だが状況は決して不利ではなかった。倒れた味方以上に敵を倒していったからである。

 そして数時間後、閑散とした街並と、先程まで音速を超える銃撃戦を繰り広げられていた空域では、KVだけが原形を留めていた。
<担当 : 八神太陽>


●オヘア空港攻撃
 かつて名古屋防衛戦において、バグア軍の真の目的は建造中であったユニヴァースナイトの破壊だったといわれる。
 そしていま、シカゴ解放を目指して進軍するUPC軍の最重要戦略目標はSoLC――バグア占領下のオヘア空港地下施設に残された衛星破壊砲の奪取、もしくは破壊。
 SoLCが現在発射可能な状態にあるのか、またバグア側がSolC使用を計画しているのかは判らない。はっきりしているのは、現在シカゴ方面におけるバグア軍の最大兵力がオヘア空港に集結していること。そしてその中には、シェイド量産タイプと噂される敵の新型機「ステアー」の存在も確認されている。
 その意味で、オヘア空港を巡る攻防はシカゴ奪回、いや今回の五大湖解放作戦そのものの成否を左右する戦いといっても過言ではなかった。

 両軍の激突は、まず制空権を巡る激しい空戦から始まった。
「各機へ、俺達は空を抑えるぞ! 陸の奴らに後れを取るなよ?」
【アングラー】隊長、エミール・ゲイジ(ga0181)が僚機に檄を飛ばし、空港側から迎撃に上がってきた数知れぬ飛行ワームと飛行キメラの群を目指して突入する。
 同隊所属のシャロン・エイヴァリー(ga1843)、ザン・エフティング(ga5141)らが後に続き、また遊撃部隊【R】の草壁 蛍(ga4708)、ランディ・ランドルフ(ga4710)も攻撃態勢に入った。
 名古屋防衛戦の頃に比べると敵飛行ワームは強化されている様だが、能力者傭兵たちもその後の機体強化や武装強化でかなり戦力を上げている。
 ただしそれなりの資金を要するため、
「もう少し武器の値段を下げやがれ! 俺みたいな貧乏人にはつらいっての!」
 とぼやくリチャード・ガーランド(ga1631)の心境も判らないでもないが。
 戌亥 ユキ(ga3014)が放ったG放電を皮切りに、傭兵たちは遠距離から一斉にミサイルを発射。混乱したワームやキメラを相手に1対複数のドッグファイトへと持ち込み、高分子レーザー、ガトリング砲などで1機、また1機と確実に墜としていく。
 キーラン・ジェラルディ(ga0477)、大上誠次(ga5181)らは無所属ながらもその身軽さを活かし、後方から長射程のスナイパーライフルやUK−10AAM等により他部隊の援護も兼ねて傷ついた敵機を狙い撃った。
 今回の大規模作戦が初参加となる新兵たちも、ある者はエースパイロットと連携し、またある者は無理な突出を控え後方支援に徹することで着実に戦果を上げていく。
 切り込み役となった牽制部隊の活躍により、空の戦いは人類側有利のうちに推移していくかに見えたが――。
「やれやれ、もうお出ましか‥‥すんなり制圧させてくれよ‥‥」
 ワーム群の後方から急速に迫ってくる黒い機影を目にし、青柳 昴(ga2045)がうんざりした顔つきで嘆息した。
 そう、「奴」が来たのだ。
 あの忌まわしいシェイドに酷似したシルエットを持つ、バグアの新型機ステアー。
 予測されていた事態に牽制部隊はいったん後退、代わって対ステアー戦を担当する精鋭部隊が前面に出た。
「さて、行こうか。俺達の力、見せてやろうぜ!」
【ゼファー】リーダー、鷹見 仁(ga0232)が僚機・エルナンバーズを率いて一気に距離を詰める。前回シェイドに対して通用しなかった連携攻撃を再び試すつもりだった。
(「噂どおり量産機なら、シェイドに比べて性能も落ちるはず‥‥!」)
 が。ステアーはまるで彼らの考えを読んだかのように変幻自在の慣性制御でエルナンバーズを翻弄し、連携どころか反撃の暇さえ与えず瞬時にして数機を被弾・落後させた。
 仁自身もすんでの所で攻撃をかわし、一瞬間近でステアーとすれ違う。
 音速を超える刹那の接触でありながら、彼の目には敵機のコクピットからこちらを見つめる、怜悧に整った青年の相貌が残像として残った。
 その口許に、うっすら嘲笑を浮かべて。
(「次は、もっと違う作戦で楽しませてくれないかな?」)
 ――あたかもそう告げているかのように。
「ジャック・レイモンド‥‥奴が乗ってるのか!?」
 仁は再び旋回し一矢報いてやりたかったが、このまま同じ攻撃を繰り返しても部隊の犠牲が増すばかりだ。やむなく生き残りのエル達を連れて戦域を離脱するしかなかった。

 上空で友軍がステアー相手に苦戦している間、地上では陸戦形態KVを主力とした攻撃部隊がオヘア空港を目前にして、ゴーレム、タートルワーム、その他キメラ群からなるバグア守備隊と死闘を繰り広げていた。
 最重要拠点を巡る戦闘とあって敵の兵力も大きいが、傭兵側も後方支援を含め二百機に及ぶKVが参戦している。またワシントン方面からギガワーム出現の報もあり、UPC軍は多少の犠牲を覚悟してでも短期決戦で空港を占領する必要に迫られていた。
 攻撃隊として敵ワーム・キメラの排除にあたったのは主に【ガーデン】【アイギス】 【404隊】【ヘイムダル】【チーム榊】【零】の各隊、この他に小規模のグループやフリーの遊撃兵が加わっている。
 対空砲火を打ち上げていたタートル部隊がプロトン砲の狙いを地上へと切替えるが、幸い砲塔の動きからある程度射線が読めるため、能力者ならば回避する事もそう難しくはなかった。
「どれだけあなた達が強くたって‥‥こっちにも心強い仲間が沢山居るわ!」
【ガーデン】隊長、メアリー・エッセンバル(ga0194)が叫んだ。
 他部隊とも連携しつつ、遮蔽物を利用して攻撃可能域へと前進。タートルへと肉迫し、頭部を狙ってツインドリルで風穴を開ける。
 たまらず甲羅に籠もる巨大亀に対して、知覚兵器の高分子レーザーが降り注いだ。
「火力を集中させる。敵の防衛部隊をかく乱させて各個撃破!」
【零】隊長、緑川 安則(ga0157)が僚機に指示を下す。
 回避力の高いゴーレムに対して、傭兵達は複数で包囲し近接武器で集中攻撃を加えた。
「連携した俺達は強いぜ! 轢かれたくなけりゃどきやがれ!」
 外見の愛らしさからは想像もつかぬ口調でリリィ(ga0486)が怒鳴り、スキル使用で攻撃力を高めたライト・ディフェンダーを振り下ろす。
 新型の陸戦専用KV「スカイクレーパー」に搭乗した威龍(ga3859)は岩龍と同様のジャミング中和能力によって友軍を電子支援しつつ、自機は敵キメラの排除に全力を尽くした。

 最前線で戦う友軍を補給や情報提供といった面から支援したのが、【ハニービー】【ラビットイヤーα】【零・補給班】らの援護部隊である。戦場において兵站や部隊間の緊密な情報網維持が重要なことはいうまでもない。
 特定部隊に所属しないものの、激戦の中あえて防御の脆弱な岩龍を駆って友軍への電子支援や情報提供に走り回った樹エル(ga4839)、衛生兵として負傷者の治療、民間人のケアに専念した姫藤・蒲公英(ga0300)らの活躍も特筆に値する。

 上空では、傭兵達のKV部隊とステアーとの死闘が続いていた。
 シェイドほど圧倒的な戦闘力こそないが、通常の飛行ワーム(その殆どはAIによる無人操縦といわれる)とは明らかに一線を画する敵パイロットの技量が傭兵達を手こずらせる。かつて一度はシェイドを叩き落とした「空中変形による白兵戦」という奇手で挑んだ傭兵達は、皆【ゼファー】隊と同じ運命を辿った。
 そんな中、膠着状態を破ったのは鯨井昼寝(ga0488)、鏑木 硯(ga0280)ら【アクアリウム】隊6機が描くY字編隊だった。
 Hミサイルでの弾幕を囮にステアーに肉薄。装甲の薄そうな場所を狙い至近距離からガトリング砲、バルカン砲を撃ち続ける。
「伊達にシェイドの機動を見てきたわけじゃない!」
 黒川丈一朗(ga0776)、鯨井起太(ga0984)が被弾するも、この正攻法が意外にも初めてステアーをぐらつかせた。
 勝機と見た小鳥遊神楽(ga3319)が【チーム榊】の僚機と連携し、高分子レーザーによる集中砲火を浴びせる。
 他の友軍機も後に続こうとした、そのとき。突如としてステアーは慣性制御で機首を翻し、極音速のソニックブームを置き土産に戦域から離脱した。
 ダメージによる逃亡というより、何者かの指示による撤退――そんな引け際である。
 その理由を詮索する間もなく、眼下に見えるオヘア空港滑走路の一部がスライドし、内部から新手の飛行ワームが発進してくる。
(「あの地下が、奴らの格納庫になってるのか‥‥?」)
 緋沼 京夜(ga6138)は同じ【ガーデン】所属の僚機にすぐさま通信を送った。

 その頃、犠牲を払いつつも前線のバグア軍をあらかた壊滅させた地上の攻撃班は、いったん補給や負傷者収容のため後退し、後方に控えていた第2陣に空港への突入を委ねた。
 満を持して出撃を待っていたのは、【ペガサス分隊】【ヘイムダル】【放課後クラブ隊】その他遊撃部隊からなる陸戦KVおよそ50機。
 彼らがいよいよオヘア空港制圧に動き出そうとしたとき、地響きと共に空港方面から高々と火柱が上がった。
 状況は【ラビットイヤーα】の通信網からすぐ伝えられた。
 京夜機が飛行ワーム射出口付近へフレア弾の投下に成功したのだ。
 爆撃にあたってはぎりぎりまで速度を落とす必要があるため、敵制空権下では危険極まりないフレア弾の使用であったが、これもコンビを組む月神陽子(ga5549)他【ガーデン】隊の仲間達の援護があってこそのファインプレーであった。
 傭兵達の間から一斉に歓喜の声が上がる。
『ゾンビジジィ様は神を気取る前に、自分の髪を気取るべきだったな!』
『髪の後退の前には神の力も無に等しかったわけだねっ!』
 ゼラス(ga2924)と愛原 菜緒(ga2853)が互いにオープンで通信を交わした。
 ‥‥このとき、一部の成人傭兵達は哀しげに己の頭を撫でたとも伝えられるが、まあそれはさておき。
 時の勢い。そして先に血を流して戦った仲間達の願い。
 この2つを味方につけ、制圧班50機は装輪走行全速で残存のキメラや陸戦ワームを蹴散らし、空港内へと突入した。
 が、そこで待ち受けていたのは新手のゴーレム部隊。
 バグア側も重要拠点だけに、射出口付近を強力なフォースフィールドを防護していたのであろう。フレア弾の直撃を受けながらも、空港地下に立てこもるバグア軍は未だに健在であった。
 屋内施設で、滑走路上で、たちまち敵味方入り乱れての混戦となった。
「神を騙る輩よ、見るがいい。人の生への足掻きがどれ程の力を持つかを!」
 前回の戦闘では出撃不可を余儀なくされた白鐘剣一郎(ga0184)が、名誉挽回とばかり巨大なハンマーボールを振り回し、行く手を阻むゴーレムをなぎ倒す。
 その後方では、エスター(ga0149)が施設内の地形に応じてレーザー、スナイパーライフルを使い分けつつキメラどもを狙い撃ちにしていた。
 完全破壊までは果たせなかったものの、フレア弾の炸裂が地上と空中にいたバグア軍兵力を焼き払ったことで、戦局は傭兵側有利に傾きつつある。
 しかし最大の目標であるSoLCを確保するには、例の射出口から多数の敵が立てこもる地下施設へと侵入する必要があった。

 その頃、空港攻略部隊全般の情報網管制、および正規軍側との連絡を担当する【ラピッドイヤーα】隊長、朱雀院沙羅(ga5440)の元へ一本の通信が入った。
 相手はUPC北中央軍中将、ヴァレッタ・オリム。
『ずいぶん手こずっているようだな。まだSoLCは確保できないのか?』
 それはまるで、将軍というより社員の業績を監査する経営者のような口ぶりだった。
「ついさっき、制圧部隊が空港内に突入しました! あと一歩‥‥女神砲まであと一歩なんです!」
『もう時間がない。ギガワームがそちらに向かっている』
 それを聞いて、沙羅もようやく理解した。
 ――なぜステアーがあっけなく引き下がったのかを。
『あと1フェイズだけ待ってやろう。それで奪回できないようなら、もうおまえたち傭兵などあてにはできぬ』
「そんな‥‥!」
 無線機を手にしたまま震える沙羅の耳に、オリム中将の冷ややかな声が響いた。
『戦略空軍に命じ、フレア弾の集中爆撃により空港もろともSoLCを破壊する‥‥よいな?』

<担当 : 対馬正治>

 
 
※負傷者一覧
大破・重体(次回出撃不可)
テトラ・シュナウザー(ga0218)
影守・千与(ga4725
ルュニス(ga4722
奉丈・遮那(ga0352)
凍雲 耕介(ga5016)
スヴェトラーナ・王(ga4482)
花火師ミック(ga4551)
大和長門(ga7140)
レティ・ヴェルフィリオ(ga0566)
水理 和奏(ga1500)
葵 コハル(ga3897)
蓮沼千影(ga4090)
コー(ga2931)


機体大破(次回その機体のみ出撃不可)
雪子・レインフィールド(ga3371
ルアム フロンティア(ga4347
小田切レオン(ga4730
神塚獅狼(ga6742
不破 梓(ga3236)
大川 楓(ga4011)
煉条トヲイ(ga0236)
ユノーナ(ga2304)
ウェンディゴ(ga4290)
紅露(ga4649)
チョ(ga4920)
沢村 五郎(ga1749)
R.R.(ga5135)


重傷(出撃可能、生命力減少に注意)
終夜・無月(ga3084
緋霧 絢(ga3668
鷹代 由稀(ga1601
夕凪 春花(ga3152
ジーラ(ga0077
水上・未早(ga0049
ヒカル・スローター(ga0535
ファファル(ga0729
シェリル・シンクレア(ga0749
氷雨・翡翠(ga1860
国谷 真彼(ga2331
リヒト・グラオベン(ga2826
醐醍 与一(ga2916
シエラ(ga3258
シュヴァルト・フランツ(ga3833
二階堂 律(ga4460
倶利伽羅・狩倶(ga4724
リュアン・ナイトエッジ(ga4868
富垣 美恵利(ga4872
結城 紗那(ga4873
グリク・フィルドライン(ga6256
セルゲイ・バトゥーリン(ga4438)
伊佐美 希明(ga0214)
司令∀(ga6834)
ユーニー・カニンガム(ga6243) ノエル・イル・風花(ga6259)
ミハイル・チーグルスキ(ga4629)
劉・黒風(ga5247)
ケヴィン・ウェーラー(ga2524)
天上院・ロンド(ga0185)
ジョニー・マッスルマン(ga4697)
雨宮慶(ga4715)
姫川ミュウ(ga4713)
真壁健二(ga1786)
龍巳 美千琉(ga3111)
七瀬 皇(ga5590)
武蔵・兎萌(ga4208)
竜之介(ga4690)
時任 絃也(ga0983)
吾妻 大和(ga0175)
間 空海(ga0178)
霞澄 セラフィエル(ga0495)
アリオノーラ・天野(ga5128)
一条 昴(ga0500)
天草・渉(ga0015)
ジュエル・ヴァレンタイン(ga1634)
黄昏 輪廻(ga6131)
蒼音(ga2311)
神崎・愛莉(ga3993)
藤村 瑠亥(ga3862)
角田 彩弥子(ga1774)
朏 弁天丸(ga5505)
黒塔 美鬼夜(ga6975)
紫悠・久遠(ga7074)
軽井 羽澄美(ga4848)
宵谷 香澄(ga4626)
クロード(ga0179)
霽月(ga6395)
フィーロ(ga7235)
マスマー(ga6680)
五十嵐 薙(ga0322)
空禅(ga4927)
王 憐華(ga4039)
葵 宙華(ga4067)
龍零鳳(ga2816)
霧島 亜夜(ga3511)
キョーコ・クルック(ga4770)
寿 源次(ga3427)
エレナ・クルック(ga4247)
霧島 深夜(ga4621)
斬皇樹(ga4701)
漸 王零(ga2930)
緋室 神音(ga3576)
御山・アキラ(ga0532)
ハルトマン(ga6603)
神楽克己(ga2113)
鬼怒亥 紅(ga2649)
風怪(ga4718)
OZ(ga4015)
歪十(ga5439)
リャーン・アンドレセン(ga5248)
アリス(ga1649)
ノビル・ラグ(ga3704)
エル3 (ga1876)
エル4 (ga1877)
エル009ノ1(ga6483)
エル天(10)(ga6485)
黒川丈一朗(ga0776)
鯨井起太(ga0984)
御影・朔夜(ga0240)
崎森 玲於奈(ga2010)
フリスク(ga6626)
九頭(ga6630)




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