五大湖解放戦
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2月13日の報告

 デトロイトからシカゴまで、450km。さほどの距離ではない。
 しかし、北米陸軍の侵攻を数多いキメラが行く手を阻む。
 はじめはナイトフィーゲルを使わないままキメラの掃討を展開していたが、その作戦が悪影響を及ぼし始めていた。このキメラの数は、誰が見ても時間稼ぎと気づかされるほど。使い捨てである兵器・キメラに対し、こっちは重要な人間達、疲労などお構いなしの敵軍よりも、兵士は疲弊し、装備も危うくなっていく。
 このままだと被害が増すばかりだ。負傷した兵からの通信が、苛立ちを増やしていく。
 元からKVでの出撃を嫌がっていたこの作戦での陸軍指揮官は、舌打ちをし、
「KVで出撃せよ! 通達! KVで出撃せよ!」
 と、叫んだ。
 その合図の照明弾が光った。

 一度煙幕を張って退避し、ナイトフォーゲルに乗り込む者。既に乗り込み出撃準備が万全な者と様々、陣地は慌ただしかった。
「生きて帰ってこいよ!」
「整備はばっちりだ。行け!」
 エールが飛び交う。
「スタンバイ‥‥、行くぜ!」
 各機が飛行、歩行と動き始めていく。
 迫り来る、キメラの群のなかにKVを駆っていく。

「月狼壱番隊‥‥狼王。‥‥参る!」
 チームのなかで一番の先陣をきったのは、『月狼』の終夜・無月(ga3084)だった。
 彼は空中からキメラの群の中にKVを変形して飛び込む。彼ほどの腕前になると、KVも手足のように動かせるようだ。近接を主にしている装備で、それをフルに使い、ライトディフェンダーでなぎ払い、近づくキメラにはガトリングを放つ。他の月狼隊員も各自に自分の役割をこなしていく。空からの援護爆撃、遠くからの狙撃支援、他の別隊が取り逃がしたキメラを潰していく。
 援護射撃、M1戦車からの弾幕を頼り一度帰投する各隊、そして援護に回っていた隊が先頭に出る。戦況や敵機の情報をキャッチしているのは岩龍である。それを警護しているのは藤田あやこ率いる、スワロウ隊であった。
「こっちにはあまり来てないけど、気を引き締めていこう」
 彼女が各隊、別部隊にも、岩龍からの情報を処理し、逐一通達している。
「了解!」
 岩龍はほぼ無傷にキメラの動きを読めているようだ。
 そのほか先導する各小隊もキメラを難なく、撃退していく。しかし、此は長期戦確定であるため、一定のローテーションを組んでの出撃だ。一定の時間ごとに補給で離脱、そして部隊を交代するという流れである。KVを投入した直後、戦況は一変し、進軍するのに支障がないように思われた。
 桐生 禍斗(ga0560)も先頭の1人。『獣』隊のメンバーである。ディフェンダーでキメラをなぎ払い、少人数の部隊として連携している。少人数からなる部隊のために、小回りは月狼より効く。故に、部隊の数が薄くなった地域に素早く入り込みそれの援護も可能となっていた。機動性に優れたメンバーで行動している。
 ヒヨコ隊は、潜伏・威力偵察し各地の状況を、相麻 了(ga0224)の指揮の下、キメラを倒していく。その状況を、小隊・ヴァルキュリアーズに全て提供し、 「こちら『ヒヨコ』の相麻! この地区の掃討終了。こっちから叩けば楽だよ」
 と、報告。
「了解。向かうよ」
 ヴァルキュリアーズのシェリー・ローズ(ga3501)とその各隊員が、M1戦車ともに、ヒヨコ隊が指示した箇所に一斉進軍、攻撃、キメラを瞬く間に殲滅する。すばらしき連携であった。

 『FM−Rev』の放送。
「各機へ、此より進軍します」
 藍晶・紫蘭(ga4631)が戦況を報告する。このレポートも各隊にはかなり有力な情報になっていた。他の隊と違いレポートをする傭兵部隊であるが、戦地レポートをしながら戦うことはかなり難しい。補給地域にも臨時編集部をおき、全ての情報をラジオのパーソナリティ風、もしくはニュースキャスターのように放送する。その役目は、ニュルス(ga4722)だ。
「北側のキメラは殲滅されました。南が残っています‥‥。む? 一寸待ってください」
 なにやら不穏な言葉でとまる。
「ただいま情報が入りました! ヘルメットワーム襲来! 緊急迎撃をおねがいします。繰り返します‥‥」
「向こうの増援だ! 撃激準備」
 空が慌ただしくなってきた。

 同時に、クリスティナ・ロート(ga0619)が空に浮かぶ機影を見る。それが櫻小隊隊長の大曽根櫻(ga0005)に狙いを定めている。
「櫻ちゃん、上から敵だよ!」
 大曽根櫻に通信。
「わかりましたわ」
 気が付いた大曽根は何とかかわす。ただKVが空戦仕様でないため、回避と防御で凌ぎ、他の櫻小隊の援護射撃班に助けられる。彼女もまたKVをうまく乗りこなしていた。しかし、流石のワームの攻撃に多少傷ついた。
「一度、撤退します」
「援護は任せてね」
 ここもまた連携が物を言った。
 さらに、こうした時に他の無所属能力者の活躍は見逃せないこともある。
「こちらケイ・リヒャルト(ga0598)。櫻小隊は補給・整備で撤退だな? なら‥‥その援護はあたしに任せろ」
 ケイは、大曽根の櫻小隊の周りに煙幕弾を放ち、周りを煙につつませる。櫻小隊を撤退させる手助けをしてくれた。
「ありがとうございます。助かりました!」
 櫻小隊の彼女たちは、整備と補給の為に撤退していく事に成功した。

 ヘルメットワームに対するのは弓亜・優乃(ga0708)や、須佐 武流(ga1461)率いる小隊『シャスール』篠原 悠(ga1826)の小隊『カルヴァリオ』の空戦・対空部隊であった。
 ホーミングミサイルや3.2cm高分子レーザー砲をヘルメットワームの大軍に向かって放つ。飛行機雲が、綺麗な弧を描き旋回し、スワロウ隊の一部の援護もあり、戦況は好ましかった。
「12時の方向、3機!」
「それはこっちに任せろ。シャスール3」
 敵機発見を逐一報告し、それに即対応できる機が、迎撃に当たる。
 地上からも狙撃手の援護射撃もあった。
 『シャスール』、『カルヴァリオ』の連携で、ヘルメットワームは翻弄される。特筆するのは、麓みゆり(ga2049)の攻撃が、見事にヘルメットワーム1機を仕留めたのだ。
「ここは私たちの場所。バグアに好きなようにはさせない」


 一方、陣営拠点の治療区域。テントが建ち並んでいる。
 傷ついた兵士の治癒にあたるのは姫藤・蒲公英(ga0300)と『わんわんわんこ隊』のわんこ(ga5343)とその隊員達だった。犬耳にナース服の『わんわんわんこ隊』が救助しにいき、姫藤が手当に当たる。その中でこの戦いに巻き込まれた不幸な一般市民も交じっていた。ここもまた戦場の象徴と言うべき所であろう。
「そこ‥‥に‥‥、輸血パック‥‥あります。それ‥‥と‥‥」
「包帯に、痛み止めの注射ね? わかったわ。まかせて」
 ワンテンポ遅れる、たどたどしい言葉で話す姫藤だが、わんこ達はそれに文句は言わない。彼女の目を見て、何を言いたいかを見極めていた。流石衛生兵隊である。
「大丈夫。姫藤は、出来ることを一緒に頑張ってやろう」
「はい‥‥」
 手際よく怪我をした一般兵や能力者を手当てする。
「もう‥‥だい‥‥丈夫‥‥です」
「大変だ! 数名撃墜されたようだぞ! M1は15、KVは不明だ」
「了解。私たち、救助向かうから」
 わんこが救助用に調整しているKVの元に走る。
「は‥‥い。わ‥‥わかりました」
 わんこの背と、彼女達が赤十字のシンボルを姫藤は見る。
「いって‥‥らっしゃい‥‥ませ」
 彼女はすぐに自分の仕事に戻った。
「手伝いことありますか?」
 ミンティア・タブレット(ga6672)が姫藤に尋ねる。
「えっと。で‥‥は、怪我を‥‥した人‥‥。助けて‥‥ください」
「わかりました!」
 彼女は姫藤の仕事を手伝うことになった。


 また、補給と整備で戻る所でも、傭兵達は活躍している。
 整備師としてや、または休憩する人用に食事の用意する人などなど‥‥だ。
 軍支給の非常食では、元気は出ないということでおにぎりとお茶が数種類出てきた。おにぎりを出したのは尾上・楓(ga1814)だ。紅茶を出すのは島津・有紗(ga6929)である。
 暖かいおにぎりとお茶(おにぎりとお茶はミスマッチと思うこともあるだろうが‥‥それは横に置く)。それが、疲弊する兵士や能力者にはたまらなく良い物だった。
「ありがと」
「いえ、良い物ができなくて」
「いやうまかったよ。行ってくる」
 そう礼を言って、KVに乗り込みまた戦地に赴く姿を見るのは、嬉しいものだった。

 空のヘルメットワームも、キメラもかなり掃討した時だった。
 ヒヨコ隊、FM−Rev、スワロウ隊の通信から緊急通信が入った。
「距離300以上。タートルワーム出現! 気を付けて!」
 平野部からプロトン砲の一斉射撃。
 何名かは運良く、回避するも、撃墜されたのもいるらしい。通信が混線する。
「被害状況を」
「北、40%、南まだ通信ありません! 岩龍各機は無事」
「報告急がせろ!」
 司令室は慌ただしくなった。

 タートルワームの砲撃に直撃したのは、一番槍でキメラ掃討をしていたロストフェイス(ga4801)だった。キメラをKVスピアで仕留め続け、自分が補給を受けるより一匹より多くキメラを仕留めることを目的としたためだった。そのため、かなり先頭に出ていたし、タートルワームに気づかれやすい位置にいたのだ。
 故に、タートルワーム一斉砲撃の報を行くと同時に‥‥、
「やべ‥‥な」
 光の帯が直撃した。
 先に出ているからと言って、彼が油断していたわけではない。避けようとした。運が悪かったのだ。
 KVは大破してしまったが、彼もKVの通信機器も生きている。
「いっつう。しかし、俺生きているな‥‥」
 おそらくキメラを屠った数は‥‥彼が最高数かもしれない。KVは修理しないと飛べないが、SOSだけは送れそうである。

 雪村・さつき(ga5400)は無所属の傭兵達での連携をとって、無所属傭兵との動きを円滑にしていた。しかし、彼女自信が不幸にも足を取られ、プロトン砲の射程に入ってしまう。
(「やられる!」)
 しかし、彼女は無事だった。
 石神貴陽(ga6781)の機体が彼女を庇ったのだ。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫です。KVは動かないですが。あなたが無事で良かった。あなたが連携を申し出ていなかったら、俺たちは生き残れていないんです」
 と。
 無所属グラム・ニード(ga7028)が飛行機形態になり、駆けつけた。
「今のうちに退避を」
 彼は、煙幕弾を周りにばらまく。これで、石神と雪村は上手く逃げることが出来た。
「退避! 退避! 立て直すぞ」
 各小隊の隊長が全員に通達した。

 一度陣形を立て直したKV各隊と陸軍は、KVチームの主導でタートルワームの迎撃に当たるも、ワームのプロトン砲の弾幕でなかなか近づけない。こちらの空からの物理攻撃は、大して効いてはいないようにみえる。近接も厳しい状態にある。
 プロトン砲を打ち続けているはずなのだが、その距離が縮まっていないことに気づいたヒヨコ隊のビリー城戸(ga5595)と、同じ隊の数機がギリギリの偵察行為を行う。砲撃を何とかくぐり抜けるのだが、皆の危険を最小限に抑えるために、勇気を出して向かったのだ。偵察も兼ねた先導隊故の仕事だと信じ。
「亀は多数。退きながら撃っている! 深追いは危険。深追いは危険! 此より離脱‥‥!」
 報告を入れ、すぐにその場から離脱する。
 しかし、それがタートルワーム数匹に見つかり、プロトン砲が彼のKVを破壊する。
「うわあ!」
 しかし、不時着は成功し、彼は命に別状はない。
「大丈夫か? しっかりしろ!」
 仲間からの通信。
「ああ、なんとか。しかし、KVが動かないです」
「こちら『わんわんわんこ』。今から救助に向かう。動かないように」
「了解。ありがとう」
 ビリーの勇気ある偵察行為により、深追いする者はいなかった。
「なら耐えるまで」
 向こうがどう動くか分かれば、深追いは禁物だと全員判断。
 岩龍をまもり、指揮官陣営の戦車、各車両をなんとかシールドなどで庇う。
 プロトン砲はほとんど、KVを狙って撃っている事が分かってきたため、KV部隊全員は散開して、プロトン砲を避けていく。
 また膠着状態となってしまった。
 砲撃が止んだと思い、少し足を進めると、亀の光の帯が空を焦がす。無理に進軍は無謀だと確信に至った。

 シスター・マリィ(ga6992)、や『わんわんわんこ隊』などの救助小隊、救助担当能力者が、プロトン砲の砲撃の中で、怪我をした兵士、撃墜された傭兵達を救助しに行く。幸運にもそれを回避し、救助に成功していくのであった。
「ここまで来ればもう大丈夫です」
 彼女達は、看護兵にけが人を渡す。

 デトロイトから200km地点で足止め状態の陸軍。
「あの数のタートルワームを倒すには‥‥どうすればいいか‥‥考えなければならないな」
 次の作戦を考えなければならなかった。




【五大湖解放戦】UKを守りぬけ!
 ユニヴァースナイト。
 人類の切り札と言うべき機体。
 時代が時代ならば、空中要塞と言っても過言ではないその機体の周囲には、都合300機近いKVが駐留し、バグア軍からの攻撃を、ある時はその身を持って、そしてまたある時は、施した武装でもって、ワームやキメラの迎撃に赴いていた。
 だが。
「きゃあああ!」
 護衛に付いていたラン 桐生(ga0382)が、レーザーで切り込んだ所、囲まれてあっという間に落とされる。同じ様にホカ(ga6848)、イオ(ga6875)、風嵐(ga7001)が、タートルワームの粒子砲になぎ払われた。
「天神隊、奔神隊は反対側を回る。出来るだけ多くの情報を集めろ」
 このままでは、一方的に蹴散らされてしまう。せめて、タートルワームの手薄な場所を探し出そうと、天衝大隊所属偵察班【奔神】小隊長の斬皇樹(ga4701)が、部下にそう命じていた。
「了解。キリト、生きていたら‥‥ううん、なんでもないわ」
 KVの中で、恋人の事を思うリーゼロッテ・御剣(ga5669)。彼女の所属する偵察班【天神】は、奔神の背後に着くように、遠距離用の弾丸を発射していた。もっとも、ワーム達も強化されており、お互いを庇って、隊員のサーシャ・ヴァレンシア(ga6139)とヴォルク・ホルス(ga5761)が、損傷甚大で強制帰還の命を受けてしまうが。
「バグア諸君! 出迎えご苦労! 存分に休んでくれたまえ! 冥府でな!!」
 そんなワームに、メディウス・ボレアリス(ga0564)が牽制弾を放つ。大物は、チームで行動している面々に流し、UPCのデータベースで見たワームを攻撃していた。
「皆! ユニヴァースナイトの近くなら、ジャミングが岩龍より強力になるわ! なるべく離れないで!」
 妨害電波を流していた字夜・由利奈(ga1660)が、周囲に居たKVに呼びかける。
「元よりそのつもりですよ」
 エスコートした付き合いもある。新居・やすかず(ga1891)は、砲台代わりか寄って来たキメラに近づかせないよう弾をばら撒くが、それ以上は進まない。
「通りで、電波ジャミングが弱くなったと思ったぜ。これなら派手な花火が上げられそうだ!」
 花火師ミック(ga4551)が嬉々としてチャージしておいた武器を振るう。だが、その目立ちたがり屋な性格が災いして、落とされてしまった。
「全てはアメリカ合衆国の空の為に!! ミーが援護射撃シマース!」
 ジョニー・マッスルマン(ga4697)が援護するが、雑魚を落とせるものの、ワームには余り役に立っていない。
「ジョニー! 当たらなくても良いから、向き返させるわよ!」
 草壁 蛍(ga4708)が、撃墜よりも、誘導を指示。しかし、やみくもに切り込むだけでは、ラン達と同じ様に、ワームに蹴散らされてしまう。
「やはり、単機は落ちやすいか。お、若葉隊が出張ってきたな」
 通信機に耳を傾けていたジャクソン・ウェストフ(ga7009)が、そう言った。他の小隊の動きを通信傍受して聞き耳を立てていた彼は、落とされてはたまらないと、その若葉隊の動きに従う事にする。
「ユニヴァースナイトは、武装があまり多くないからな。若葉隊、護衛機代わりに出るぞ!」
「それは俺の台詞だ!」
 オルランド・イブラヒム(ga2438)が叫ぶも、肩書きそのものは副長なので、隊長の愛輝(ga3159)に、そうツッコまれている。
「それはすなない。だが、隊員に失機者など、出させたくないのは、同じだろう?」
「そりゃそうだ。各機、打ち合わせどおりに!」
 何しろ、ユニヴァースナイトは、全長6kmはある巨大な船なのだ。左右の巨大航空機は、整備中で出撃不可とは言え、そう簡単に落ちはしない。落ちても困るが。
「えぇい、後から後から‥‥。艦載機の出撃はまだか!」
「整備中で‥‥。すんませんっ」
 すでに、周囲のワームは、100機以上。まだまだ増殖するそれに、艦長でもあるツァィコフ中佐は、自身で拳を振るえない事に、奥歯をかみ締めている。その間に、若葉マーク付の隊である若葉隊に、次々とワームが襲い掛かった。
「足止め程度の武装では、取り付かれてしまうと言う事か! 各機、損傷5割を超えたら帰還しろ!」
 愛輝が、隊員達にそう命じている。どうやらバグアも、こちらの技術が強化されているのと同様、自身も強化しているようだ。その為、キメラは問題なく掃討出来るものの、ワームに副兵装程度で近づいた機体は、軒並み撃破されてしまう。風戸 悠(ga2922)、沖 良秋(ga3423)、呉葉(ga5503)、木嗚塚 果守(ga6017)、ツァディ・クラモト(ga6649)、鷹尾 明(ga6835)、旭(ga6764)と、若葉隊の半数だ。残ったのは、距離をとって迎撃していた面々だけである。
「まだまだ来るな‥‥。若葉隊は下がってくれ。閃天、朱翼、蒼翼、紅天は援護に回る!」
 天衝総隊長、漸 王零(ga2930)が、部下にそう命じていた。4小隊を投入してもなお、ワームは次々と増殖して行く。つっこんではやられるだけなので、櫻小路・なでしこ(ga3607)も、マスマー(ga6680)も、ある程度の距離をとって、弾を撃ち込んでいた。
「く‥‥俺がここで!」
 だが、取りこぼしを拾おうと、敵陣の只中に突っ込んでいた隊長自身が、ワーム達に取り囲まれてしまう。
「隊長殿! えぇい、威警各員、援護に回る!」
 空禅(ga4927)が、その退路を確保しようと、援護射撃を放つが、力及ばず、隊長殿は損傷オーバーで強制帰還だ。
「皆、気力が死んでは勝ちはない! 隊長の仇、我らで取るよ!」
 意気消沈しかけた天衝隊に、葵 宙華(ga4067)が克を入れる。
「その通りだ。道を開く。シカゴへの活路を切り開け!」
 高瀬・誠(gz0021)が、温存していたG放電管のスイッチを入れた。
「傭兵どもめ、無茶をする。だが、その道、使わせてもらうぞ!」
 ユニヴァースナイトの中で、中佐は部下にシカゴへと進軍を命じる。動き出す巨体。何とか阻止をしようと、20匹程度のワームが取りすがるが、それは海神隊メンバーである三間坂京(ga0094)と、建宮 潤信(ga0981)が、意地でもUKの進路を確保するべく、盾となった。
「抜かれたら後ろにいる奴らに任せろ! 1機ずつ確実に潰すぞ!」
「私たちがUKの先駆けになるわけね。OK,行きましょう!」
 足がかりを作った彼らに代わり、アングラー隊のエミール・ゲイジ(ga0181)と、シャロン・エイヴァリー(ga1843)が、他の面々と共に、その維持を行う。まるで掃除機を扱うかのように、進路上にいるワームへと攻撃を仕掛けていた。
「ワームの増殖が止まった?」
「それでも300はいるわよ」
 エミールとシャロンがそう気付く。自分達の総数と同じ位のワームに、ブルーレパード隊のブランドン・ホースト(ga0465)、チーム『リンディ』のティーナ・アリスン(ga4866)、フランネル(ga4869)が散る。彼らを庇おうとしたミーア・ステンシル(ga4686)ごと。
 ところが、その最中だった。
「ワシントンより入電。シェイドらしき機体が現れたとの事。到着予想時間まで、あと‥‥7分!」
 本部から連絡を受けたLuckyDays隊のフィオ・フィリアネス(ga0124)が、悲鳴じみた報告をしてくる。
「7分あれば充分! 何があっても、ユニヴァースナイトは落とさせないよ!」
 如月 煉(ga2574)が、前に出ようとする。だが、フィオはそんな彼らに、本部からの指示を告げた。
「対シェイド部隊は、可能な限りユニヴァースナイトの戦闘圏内の遠い場所で迎え撃ち、その間に護衛部隊はシカゴ部隊と合流するように‥‥! だそうです」
 その指示は、オペレーターであるミクから飛んでくる。それを、フィオはUKの周囲にいるKV達に張り巡らされた情報網『天の糸』を通じ、全部隊へと連絡する。
「了解。ファング隊はこれより、友軍機の合流援護を行う」
 九条・命(ga0148)とMAKOTO(ga4693)が、他の隊員達と共に、KV各機がUKの傍を離れられるよう、ワームを掃討していく。
「オラトリオ隊各機へ、ユニヴァースナイトを保護しますよ」
 その間の壁役は、天上院・ロンド(ga0185)率いるオラトリオ隊だ。隊員達を、まるで流れる五線譜のように2段にわけ、その名が示す通り音楽を奏でるように、波状攻撃を行っていた。
「放課後クラブ、支援するぞ!」
「各機、オペレーターの指示を、確実に伝えるようにしてくれ」
 放課後クラブ所属の赤霧・連(ga0668)が、その後方から撃ち、彼を庇って、フレキ・クロックダイル(ga1839)が落ちる。彼だけではない。味方を後方に下げようとしていたシームルグ隊のカオーナ・シノハラ(ga2366)、佐伯(ga5657)、弾を使いきった仲間を庇ったハイエナ隊のユノーナ(ga2304)も、その為に撃墜されていた。
「皆さん、やっぱり誰かを庇うと落ちます。無茶はしないで!」
 緋隊所属のエレナ・クルック(ga4247)が、警告するように叫ぶが、そう言われても、傭兵達の間には、自身を犠牲にしてでも他者を守りたいと思っている者達が多い。ペガサス小隊のエクセレント秋那(ga0027)も、そう考えた1人らしく、隊員を庇って落ちていたフルーツバスケット隊の。風間由姫(ga4628)はワームに囲まれて。それを庇った神塚獅狼(ga6742)ごと。小森バウト(ga4700)が煙幕を張り、他の隊員達を助けようとしたその時だった。
「来た‥‥」
 誰かがそう言った。空気を切り裂く音がして、その悪夢の黒い機体が、戦場へと降り立つ。
「さーて、いきますかぁ!」
「‥‥」
 その機影を見た刹那、落とせば勝ちとばかりに群がるKV。だが、無謀な特攻は、犠牲者を生むばかり。その証拠に、ソアラ(ga6610)、仁菜(ga6683)が生贄となった。
「乾坤一擲、如何なる脅威があろうとも我々は必ず押し徹す。行くぞ!」
 ペガサス隊隊長、白鐘剣一郎(ga0184)もまた、然り。
「隊長!」
「俺に構うな! アクアリウム隊にジャミングを付与しろ!」
 だが、彼はただ落とされるばかりではなかった。隊員のみづほ(ga6115)に指示を飛ばし、次鳴るKV部隊が、シェイドに攻撃を仕掛けやすいようにする。
「シェイド一機を倒せれば、士気が上がるのは目に見えている。最初が肝心」
 Y字型に展開したアクアリウム隊の最後尾で、鯨井起太(ga0984)がシェイドを狙い撃つ。盾になるのは、黒川丈一朗(ga0776)。普通なら落とされる所だが、彼は自身の力量をわきまえているのか、むやみに突っ込まず、ディフェンダーを盾代わりにしていた。
「研究員諸君。今こそ我が研究所の成果を見せるとき。G放電管、照射!」
 ドクター・ウェスト(ga0241)が、その間に放電管を使う。
「名付けて、Gストリームアタック!」
 這い寄る秩序(ga4737)がそう叫ぶ。重ねて放電しているのは、ランドルフ・カーター(ga3888)、R・A・ピックマン(ga4926)、無荒戸 哲夫(ga3815)、ロバート・ブレイク(ga4291)の4名。
 だが。
『舐めるなよ』
「‥‥以前ほど効果が!」  間近にいたウェストには、中からそんな声が聞こえたような気がした。直後、吹き飛ばされる彼ら。おかげで、庇おうとした内藤新(ga3460)が犠牲となる。
「Gストリームが通用しないとは‥‥。思った以上の性能ですね‥‥」
 悔しげにそう呟くハワード・ラヴクラフト(ga4512)。
「あれほど高機動なら、有視界か敏感な光学センサーのはず。ならば!」
 Hish(ga6000)がそう言って、照明弾を右腕で叩くようにして盛大に炸裂させる。かっと盛大に光り輝く周囲。
「やったか‥‥何っ!?」
 だが、シェイドはその光すら、味方にしていた。光ある所に影があるとばかりに、目のくらんだ中から蹴り飛ばしてくる。そのせいで、Hish自身が落とされていた。
「貴様の顔も見飽きたな…。墜とすか墜とされるか――勝負だ、シェイドッ!!」
 天衝迦楼羅‥‥その小隊長である煉条トヲイ(ga0236)が、そう言って、部下達にこう命じる。
「迦楼羅鳳凰陣展開!」
 ちょうど、鳳凰が翼を広げるように、逆Vの字になる迦楼羅隊。トヲイを先頭に、右翼は、前から葵 コハル(ga3897)、水理 和奏(ga1500)、リャーン・アンドレセン(ga5248)、左翼がノビル・ラグ(ga3704)、アリス(ga1649)、蓮沼千影(ga4090)、コー(ga2931)の順だ。
 邪魔するなとばかりに、その翼を切り裂こうとするシェイド。だが、先ほどのGストリームアタックの効果が残っているのか、中々前に進まない。
「俺達が時間を稼ぎます。仁さん、その間に、奴を!」
 チーム【ゼファー】のエル3(ga1876)が、通信機越しに叫ぶ。コードネームで呼び合うような仲だが、それでも手元には雪村。同じ部隊のエル天(10)(ga6485)には、煙幕弾も装備されている。
「チャンスは一瞬‥‥」
 エル8(ga1881)が照明弾を放つ。再び明るい光がともる中、彼は人型に変形したエル3を捕まらせ、シェイドへとダイブする。エル15(ga6546)が、すぐに落とされてしまわないよう、妨害電波を放って。
「今度は逃がさない!」
 あの時は、ゴーレムだったけれど。きっと、中に居るのは同じパイロット。そう気付いた仁は、人型に変形し、ディハイングブレードを振り下ろす。
「‥‥残念だがここまでだ。この機体は有限だ。失うわけにはいかない」
 その刃を腕で受けるシェイド。間近で見るコクピットの向こうに居たのは、報告書に書いてあった人物‥‥佐渡京太郎。
「シェイド、離脱していきます」
 レーゲン・シュナイダー(ga4458)が、皆にそう報告する。見れば、距離をとったシェイドが変形し、シカゴ方面へと戻って行く最中だ。
「何を、考えているの‥‥」
 まさか、スパイでも潜りこませるのだろうか。そう考えた羽曳野ハツ子(ga4729)が、UKへ出入りするKVを確認していたが、その真意は結局分からずじまいなのだった。



 遂に開始された五大湖解放戦。その第一段階目とされたシカゴでの制空権確保と拠点設置に向け、多くのKVがシカゴ上空へと集結していた。
 「護龍」、【ファフニール】、「八咫烏」等のチームが空で戦い、降下部隊の援護に入る。そしていざ降下、という段階で誰かが何かを発見する。
「着陸は無理だ。数え切れないほどの小型プロトン砲がこちらの様子を伺っている」
 見つけたのは「リンクス」の隊長、伊佐美希明(ga0214)、そして指である一点を指し示す。そこにはビルの隙間に隠れるようにして、設置されている小型プロトン砲の姿があった。
「このままでは狙い撃ちだな」
 当初市街での装輪走行を予定していたリンクス。しかしビルの隙間などから見える無数の小型プロトン砲の前に、しばらくの逡巡の後、隊長である伊佐美は突破不可能であることを悟る。仮に突破できたとしても、戻ってくることはできないだろう。
「強行突破はするな。下にはタートルワームが待ち構えている」
 隊長の指示を受けて下方を確認する柴崎 琢己(ga0215)。確かに伊佐美の言うとおり、ビルの隙間からは黒光りするものが見え隠れしている。砲塔が上部を向いている為強行突入することは可能だが、彼の目には、下でタートルワームの群れが不敵な笑みを浮かべているように映っている。
「どうやらバグアは制空権は許しても、降下は許さないつもりのようですね」
 タートルワームを狙うためにチームプレイを周到な準備を整えていたリンクス、しかし佐嶋 真樹(ga0351)、鳴神 伊織(ga0421)等、合計十三名もの大チームの部隊長である伊佐美は、誰かの犠牲を覚悟してまで強行突入を選べなかった。現に強行突入を試みている他の部隊のKVが、小型プロトン砲の餌食となっている。
「まずは状況を確認する」
 周囲では同じく強行突入をためらっている雪ノ下正和(ga0219)率いる【サムライスピリット】、青島・遼平(ga0258)らチーム【零】の陸上部隊が、こちらの様子を伺う小型プロトン砲を憎らしげに見つめている。
 強行突入にはいくつか問題がある。まず始めにリスク、何かの奪取ならば運次第で敵との遭遇は回避できる。しかし今回の目的は拠点確保、つまるところ周囲の敵の殲滅が目的となる。とてもではないが、こちらの被害を最小限に抑えたいと考えれば、強行突入は向いていないと考えざるを得なかった。今回の拠点確保はまだ第一段階に過ぎないのだから。
 次に傭兵による補給部隊が極端に少なく、地上では補給を受けられない可能性が高いということである。
 今回はバグアの数が多いために、攻撃を中心に据えた部隊が多い反面、補給を援助する部隊は軽井 羽澄美(ga4848)の私設補給部隊アパムだけという極端に偏った状況にある。もちろんUPCにも補給部隊はあるが、敵の攻撃が激しく武器の温存ができない。自然と補給を必要とする部隊の数の方が上回っていた。
 立ち往生を余儀なくされる陸上降下部隊、そんな彼ら彼女らの前に届けられた通達は撤退だった。
「UPCからの通達です。敵は旧オハマ空港を中心に陣を引いている模様、手薄と思われるシカゴ南部へ一度退避し、陣を整えるとのことです」
 ラビットイヤーαの隊長、朱雀院沙羅(ga5440)がAB両班の統括担当である朱雀院麗羅(ga5444)を経由して、情報伝達担当であるマリア・ブラウニャン(ga0084)、志摩あすか(ga4429)にUPCからの命令を伝達する。そして彼女らによって、全能力者へと撤退命令が伝わっていく。
 撤退戦の殿を務める八咫烏第二小隊指揮官・アグレアーブル(ga0095)やリンクス所属の佐嶋、ガーデン隊隊長・セラ・インフィールド(ga1889)を始めとする真藤 誠人(ga2496)、夜柴 歩(ga6172)、シャレム・グラン(ga6298)、九条院つばめ(ga6530)の五名を含めた計八名。隊長であるセラとしては他隊員に危険を伴う殿をやらせたくはなかったが、それでも四人の意思は固い。
「味方のために立ちはだかるのもいいじゃないですか」
「それに、ここで死ぬつもりは無い」
「甘ちゃん隊長だけに任せられませんし」
「私達も『盾』になりましょう」
 そんなガーデン部隊の様子を、アグレアーブルと佐嶋は微笑ましく見つめる。
 一時の心の休息を得た八人、やがて運悪く撃墜された機体の回収を行っている雪子・レインフィールド(ga3371)の後ろには空が埋め尽くされるほどのバグア軍が迫っていた。
 殿を担う八人の無事を祈りながら、朱雀院沙羅、麗羅はマリア、志摩に次の指示、全能力者にラビットイヤーαのB班が戦っているメイグス空港ではなく、ミッドウェー空港奪還に向かうように指示を出す。
「ミッドウェー空港の方が人手が足りないと言うことですね?」
 問い返すマリアに沙羅はこう伝える、メイグス空港の惨劇を。
「メイグス空港はバグアの手により爆破されました」
 その言葉を聞いた時、市街戦を行っていた誰もが耳を疑った。

 市街戦部隊撤退三十八分前、旧メイグス空港へはラビットイヤーαの他にもリヴィエラ・トゥルビナ(ga4038)率いるErfolg、嶋田 啓吾(ga4282)率いるヘイムダルが向かっていた。そしてErfolgが滑走路側、ヘイムダルが反対側から低空侵入による挟撃をかけるつもりでいた瞬間、彼らは異変に気付いたのだ。
 Erfolg七名、ヘイムダル九名という合計で一個中隊にも匹敵するKVでの挟撃。そこにラビットイヤーαを始め、チームを組んでいない能力者達とも協力できればタートルワームやゴーレムでもそれなりに戦えるはずだった。
 しかし両チームを待っていたのはワームやキメラばかり、違和感を覚えたリヴィエラ、嶋田両隊長がラビットイヤーαを通じて全能力者に撤退を命じ、そして撤退が完了すると同時に、旧メイグス空港は激しい轟音を立て、瓦礫の山と姿を変貌させてしまったのだ。三間坂 響介(ga4627)など、今後の転用も考え滑走路を傷つけないように戦っていた能力者にとっては、かなり手厳しい仕打ち。しかし最早どうしようもなく、
「こちらも補給を受け次第、全機ミッドウェー空港へと向かいます。そちらもお願いしますね」
 能力者達にとって残された選択肢は、ミッドウェー空港制圧しかなかった。

 そして最後の望みとも言えるミッドウェー空港では、赤村 咲(ga1042)率いるアイギス、小鳥遊神楽(ga3319)率いるチーム榊、月薙・赫音率いる404隊が統率の取れたゴーレム達に手をこまねいているところだった。
 隊長達には既に旧メイグス空港爆破、市街戦部隊撤退の報が知らされている。特にメイグス空港の話は彼らの目の前にいるゴーレムの数を説明するのに十分な説得力があった。おそらくバグアはメイグス空港にいたはずのゴーレムを、ここミッドウェーに終結させていたのだろう。
 しかし納得いかない事もある。一つはゴーレムが統率を取れる理由、そして二つ目にシェイドにも似た機体を後方で操る人間の存在だった。
「どう見ます?」
 盾の誓い、そして残された希望という責任が赤村を始め、各部隊長に圧し掛かっていた。そのためにも見極めならなければいけないのが、後方で支援する人間の真意と乗っている機体の性能だった。
「やはり人間は指揮官と見るべきかと。そして乗っている機体は運が良ければ量産型、悪ければ強化型と見ます」
 アイギスのフロントアタッカー、夕凪 沙良(ga3920)が答える。彼女は空戦時レーザー砲、陸戦時ディフェンダーと使い分けているにも関わらず、ゴーレムの陣形を崩せないことに少なからず苛立ちを感じていた。理由はゴーレムがレーザーに対しては回避、格闘に対しては防御を行う事。そして何より、傷ついたゴーレムを後方に下げているためであった。チーム榊が各個撃破を狙ってはいるが、すぐに別のゴーレムが援護に入っている。まさしく一糸乱れぬ団結だった。
「何か策は?」
 アイギス03犀川 章一(ga0498)が尋ねるが、誰も答えを知っているはずも無い。そして補給部隊の少なさゆえに、初手で使い果たしたミサイルを未だ補充できずにいる。
「残念ながら」
 最後の希望たるミッドウェー制圧部隊ではあったが、状況を打開し得るのは市街戦、旧メイグス空港両地域から来る援軍と余った補給しかなかった。
 そんな彼らの元に援軍が近付いているという吉報が届く。しかし、同時に市街戦で勝利を収めたバグアもUPCの撤退に合わせて南へ進軍しているらしい。
 やがて旧ミッドウェー制圧部隊にもUPCより通達が届く。シカゴから一時撤退するという内容の連絡だった。

 爆破された旧メイグス空港部隊、撤退を余儀なくされた市街戦、ミッドウェー空港両部隊は対空砲火の薄いシカゴ南部にて合流。そこに今後の作戦の拠点を作ることにした。
 始めに今までずっと殿を務めていたアグレアーブル、佐嶋、セラ等に補給を優先的に回す。次に彼ら彼女らが戦線を維持している間にリンクス、【サムライスピリット】、【零】、ガンアンツ等のチームが鬱憤を晴らすためにも迅速に降下作戦に移行する。
 そして煮え湯を飲まされたErfolg、ヘイムダルが殿部隊と交代して、シカゴ北部からの追撃隊を抑えに入り、ミッドウェーで力を十分に発揮できなかったアイギス、チーム榊、404隊が市街戦制空権奪取部隊とともに上空のキメラ、ヘルメットワームの撃退を行う。
「今回ばかりは逃げていられないのです」
 初の解放戦、そしてその序盤となる第一段階。此処での敗北は今後の戦況に大きな影響を与える。これ以上逃げることなど許されなかった。
 しかしそれはバグアにとっても同様らしく、加えて市街戦とミッドウェー空港にて能力者達を撤退させたこともあり勢いに乗っている。既に疲労困憊となっている殿部隊を集中的に攻撃、各個撃破を狙っている。
 ここまで常に戦闘を行っていた殿を務める八人。まだまだ気力では負けない、だが機体の方が既に限界を迎えていた。弾薬も燃料もすでに危険域に達している。
「でもこれが次に繋がる一撃となるはず」
 もう見えなくなりつつあるモニターから援護に入るKVを見つめつつ、八人は深い闇の中に包まれていく。
 撃墜されていくKV、目に見えて減っていく補給、状況は誰の目にも良くはなかった。だが逃げるわけにはいかない。
 やがて降下部隊から掃討完了の報告が入る。それを知ってか知らずか、ヘルメットワーム等バグア航空部隊も引き下がっていく。能力者達は万全とは言えないものの、今後へと繋がる勝利をかろうじて手に入れたのだった。
    


<以下、撃墜者。治療と機体整備の関係上、次回作戦に出撃することはできない>
アグレアーブル(ga0095)
佐嶋 真樹(ga0351)
セラ・インフィールド (ga1889)
真藤 誠人(ga2496)
夜柴 歩(ga6172)
シャレム・グラン(ga6298)
九条院つばめ(ga6530)
ラン 桐生(ga0382)
ホカ(ga6848)
イオ(ga6875)
風嵐(ga7001)
サーシャ・ヴァレンシア(ga6139)
ヴォルク・ホルス(ga5761)
花火師ミック(ga4551)
草壁 蛍(ga4708)
風戸 悠(ga2922)
沖 良秋(ga3423)
呉葉(ga5503)
木嗚塚 果守(ga6017)
ツァディ・クラモト(ga6649)
鷹尾 明(ga6835)
旭(ga6764)
漸 王零(ga2930)
三間坂京(ga0094)
建宮 潤信(ga0981)
ブランドン・ホースト(ga0465)
ミーア・ステンシル(ga4686)
ティーナ・アリスン(ga4866)
フランネル(ga4869)
フレキ・クロックダイル(ga1839)
カオーナ・シノハラ(ga2366)
佐伯 (ga5657)
ユノーナ(ga2304)
エクセレント秋那(ga0027)
神塚獅狼(ga6742)
風間由姫(ga4628)
ソアラ(ga6610)
仁菜(ga6683)
白鐘剣一郎(ga0184)
Hish(ga6000)
内藤新(ga3460)
ロストフェイス(ga4801)
ビリー城戸(ga5595)
石神貴陽(ga6781)




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