名古屋防衛戦
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祝勝会12月12の報告12月7の報告12月4日の報告

【勝利の報告書】

 名古屋防衛戦の成功、この報告は作戦に参加していなかった他方面部隊にも知らせが届いていた。その知らせを受け、各地の基地施設は酒保解禁が命ぜられ祝い酒が振舞われた。
 そして、本作戦の中心地、UPC日本総司令部名古屋基地においても戦場から戻ってきた英雄達が勝利の美酒を味わっていた。
 ‥‥一部を除いて。

「あっちで騒いでますね」
「そうだねぇ」
 執務室には四人。うち二人の女性が始末書の処理を行いながら会話をしていた。
 リネーア・ベリィルンドとミク・プロイセンである。
 リネーアは防衛作戦終了と同時に本部から日本支部へと応援に駆けつけていたのだ。
「お酒飲んでるんですよね」
「たぶんねぇ」
 そう言いながらも、ミクはちょこちょこと部屋を抜け出して宴会に顔を出していたりもする。
「‥‥」
「‥‥」
 二人は一瞬だけ視線を交錯させる。
「彼らに酔って暴れられたら困りますよね。ちょっと様子見てきます」
「あ、待って私も行く〜リネーアちん〜」
 ふらりと部屋から出るリネーアをミクが追いかける形で出て行く。
 執務室には未処理の始末書と、会話に参加していなかった二人の軍人が残されていた。
「え?‥‥逃げた?」
「そのようですね」



【-乾杯-】

 少し時は遡り、傭兵達が帰還した待機所でさっそく祝勝会が開かれていた。
「皆、お疲れっっ!!」
 メアリー・エッセンバル(ga0194)が仲間達に労いの言葉をかける。
 ミア・エルミナール(ga0741)、鷹見 仁(ga0232)、エカルラート(ga1323)、他多数の傭兵達もお互いを労い勝利を喜んでいた。
「市街にはまだ残敵がいるみたいですが、とりあえず今は英気を‥‥よいしょっと」
 夏 炎西(ga4178)はそう言いながら大きな鍋を持ち出してくる。漸 王零(ga2930)叢雲(ga2494)も加わり鍋料理が振舞われるようだ。
 そんな騒ぎの中、二階堂 律(ga4460)はお気に入りの文庫を取り出し読書に耽っている。騒ぎには我関せず、といった雰囲気だ。
「皆賑わってるな‥」
 至る所を包帯で巻いた黒川丈一朗(ga0776)が待機所へと入ってくる。回収班に無事助け出されたようだ。
「おう、ジョーさんやっぱすごいっすよ!」
 そう言いながら須佐 武流(ga1461)は満身創痍の彼の背中をバシバシと叩く。これは彼なりの労い方なのだろう、おそらく。

 他の兵舎でも同じように祝勝会が開かれていた。
 ある兵舎ではエミール・ゲイジ(ga0181)がキョーコ・クルック(ga4770)や戌亥 ユキ(ga3014)に囲まれて(遊ばれて?)勝利を祝っている。
お互いの背中を預けたアングラー隊の面々の集まりだ、隊の中心人物であるエミールは人気があるのだろう、次のような話題で花を咲かせていた。
「となるとエミールさんの好みはどんなタイプなんでしょう?」
「んー、歳の上下で好みってのはないからなぁ、とりあえず美人か美少女ならオーケー?」
 これからのエミールの女性難が心配される、そんな会話であった。
 ヘイムダル詰所では早速酒盛りが始まっている。いや、すでに始まっていた、というべきか。
「煙を撒いてたら自分が煙にまかれっちまった気分だぜ。まあいいや、とにかく乾杯だ!!」
「大将も飲めよ。お疲れ様だぜ」
 大山田 敬(ga1759)と沢村 五郎(ga1749)が作戦で指揮を執っていた嶋田 啓吾(ga4282)に酒を注ぎ、戦果をつまみに酌み交わす。
「失われた数多の生命に‥その魂は俺たちに宿ると信じたい‥乾杯」 
 平均年齢が30近く男性のみのこの部屋には渋さに似た空気が流れていた。

「あ、ここで宴会が行われてるみたいね」
「会議室そのまま使ってますねぇ」
 執務室を逃げ‥後にしたリネーアとミクは作戦会議室として傭兵達にあてられた待機所の前に来ていた。
 扉の外からでもその騒ぎは聞こえてきていた。
「う〜ん、先日手に入れた、このサンタ3点セットで来た方が良かったか?」
 サンタの服を手に持ち鷹見 仁が悩んでいる。
 一体何の話をしているのだろうか、と首を捻りながらも待機所の扉を開けて中に入る。
「少しだけお邪魔するわね。仕事中でなければ飲み明かしたいところだけれど‥ふふ、私は1杯だけにしておこうかな」
 シャンパンを手にリネーアは部屋の面々に挨拶を交わしていく。
 傭兵達に人気のある彼女が来たことで盛り上がりに勢いがつきはじめる。
「シャンパンか。頂こう‥酒豪と聞く君は、1杯でいいのかね?」
 経歴不明の傭兵UNKNOWN(ga4276)が片目を瞑りながらグラスを傾ける。
 キザな素振りだが、彼ならばそれが似合っていた。
「いよっしゃぁ! 軍曹、ぐっじょぶっ。仕事中にわざわざ来てくれて‥‥嬉しいです」
 クレイフェル(ga0435)が目を輝かせながらリネーアのグラスにシャンパンを注ぐ。
 彼の後ろでは緋霧 絢(ga3668)が物言いた気な視線を送っているが、それに気づかない振りをしている。
 いつか背中を刺されないことを祈ろう。
「なんかもどかしいわね。二人が急接近する出来事でも起きないかしらね」
 ナレイン・フェルド(ga0506)がそんな二人を見やりながらつぶやく。
「平和ってのはいいもんだな‥」
 坂崎正悟(ga4498)もナレインの隣に立ってしみじみと頷いている。
 そこに騒ぎにつられてか、他の傭兵たちも続々と現れる。他の場所で宴会をしていた者達も酒やつまみを片手にふらりと扉をくぐる。
「飲み会化しているというのに出遅れた!」
 そう言いながら、メディウス・ボレアリス(ga0564)や 蒼仙(ga3644)、 緋室 神音(ga3576)達も騒ぎへと加わっていく。
 お酒の匂いが部屋に充満してきて、飲んでないもの達もほんのりと酔いが回り始めていた。
「ミクも早くお酒飲めるようになりたいー」
 顔をほんのり赤らめて子供のよう‥いや、子供か‥駄々をこねるミク。
「っと。料理を作っている間に急速に展開が変化している?」
 王零が両手に料理を持って現れる。すでに混沌と化した状況に戸惑いの顔を見せる。
「うわ〜、すごい御馳走ですよ!生きてて良かったなぁ〜」
 出てきた料理に北柴 航三郎(ga4410)が目を輝かせる。
「ほら、可愛いく取れてるよ!」
 レナ・ユーティライネン(ga4985)が何かの写真を如月(ga4636)に見せている。
 如月がそれを処分しようと慌てているのが見える。
「ちょ、ちょっと勘弁してくださいよ!」
 グラップラーの二人が戦闘中でもないのに覚醒して猛スピードで駆け回っていた。
「美女に美少女、そして美幼女まで「そろった」わけだ。うんうん。祭りだねえ。そして混沌なのは仕方ない、祭りだからね」
 緑川 安則(ga0157)が傍観者的に語るが彼もすでに混沌の一部である。
 そんな中、リネーアは初めに言った「1杯」が「一杯」に変わっていた。
 傭兵達と会話を交わすたびに飲酒を繰り返していた。
「お酒がダメという訳ではないけど、お酒臭いとオペレーター業務に支障が出るでしょ?」
 オルランド・イブラヒム(ga2438)に笑みを向けながら、すでに言っていることには矛盾が生じている。
「ま、まあ理屈はわかったが‥これでは関係ないような気もしないでもないぞ」
 彼はその飲みっぷりに驚きを隠せないでいた。
「そういえば、先程中佐が巨大ハリセンを握り締めていましたが、何をするつもりなんでしょうか?」
 少し部屋を出ていた緋霧が先ほど見かけた中佐の様子を口にした。
 それを耳にした素面の者達が動揺し始める。この状況を見られたらやばいんじゃないのか、と。
「中佐が‥巨大ハリセンを?」
「普段反抗的な者をはたいてまわるのだろうか‥?」
「孫娘に悪い虫がつかないようにと‥」
 だが、アルコールが回り始めたリネーアやミク達はそんなことはお構いなしだ。
「まま、もう一杯どうぞ〜! かんぱ〜い!」
 風(ga4739)がリネーアのペースに合わせて酔いつぶれていく。
 他の傭兵達も知らず知らずのうちにペースが狂い始め酒に飲まれていった。
「とと、違った意味での戦死者が出始めてますね」
 鏑木 硯(ga0280)が酔いつぶれた者達に毛布を配り始めた。
「暫く顔を出せないで居ると、色々とお祭り騒ぎになってますね」
 桜神羅 乃衣(ga0328)と奉丈・遮那(ga0352)が新たに顔を出す。彼らも撃墜者リストに加わりそうだ。
「そういやあ、リネーアさんってスナイパーなのな。一応能力者? あなたのハートを狙い撃ち? その場合は是非とも撃ち抜いてください」
 すでにへべれけ状態の須佐が戯言を繰り出す。もはや自分でも何を言っているのか分かっていないのだろう。
「にしても、ええ飲みっぷりですねぇ。さすがや」
 リネーアの飲みっぷりに傭兵達は誰もが尊敬の眼差しを向けている。同時に思う、この人は仕事に戻らなくていいのだろうか、と。 
 
 こうして祝勝会は続いていた。
 人類初の大規模な勝利。
 そして、誰しもが予感しているこれからの激戦。
 皆分かっているのだ、明日どうなるか分からない、だからこそ騒ぐ。
 今を、この瞬間を忘れないために。

「人類の勝利に!」

「勝利に!」

『乾杯!!』


【とある始末書】

「‥マグロ?牛?なんやこれ」
「傭兵達の請求書です」
 執務室で残された二人の仕官が頭を悩ませていた。
 始末書の中にまぎれた請求書だ。
「なんでわいらがこれを払わなあかんねん!」
「では、どうなさいますか?」
「どうするもなにも‥・・傭兵達に耳を揃えて支払ってもらうわ!」

 傭兵達の戦いはまだ終わりそうにないようだ‥‥。




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