極東ロシア戦線
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追加情報17 激闘 ユニヴァースナイト

※リプレイ本文を補うテキストです。
 ユニヴァースナイトの激闘をお楽しみください。

シーン1
●連携攻撃
「弐番艦の補修は完了した模様‥‥作戦行動に支障なしとのことです」
「そうか‥‥総員に告ぐ! 第一種戦闘配置! これよりオペレーションβにはいる!」
 ユニヴァースナイト壱番艦艦橋のオペレーターからの連絡を受け、うむと頷いたミハイル・ツォイコフ(gz0007)は艦内マイクを取って指示をだす。
 眼前には巨大な人の形をしたバグアの要塞兵器ラインホールドが艦橋の窓一杯にその存在を誇示していた。
 風を切って白い艦体が動き、射程圏内へと進行する。
 ユニヴァースナイト壱番艦を援護するようにKV達が陸上からアグリッパを攻撃して進路を確保している。
「本艦は弐番艦への被害を減らすために囮となる。バークレーに一泡吹かせてやれ! 対艦戦用意! 大口径M3帯電粒子砲、てーっ!」


 ミハイルの手が振り下ろされると共にユニヴァースナイト壱番艦の外面に取り付けられた砲門から光の矢が迸る。
 ラインホールドのフォースフィールドを微かに貫き、装甲に小さな穴をあける程度で砲撃は終わった。
『ふふふ‥‥はっはっはっ! ぬるい、ぬるいぞ猿ども! そんなチャチな花火でこのラインホールドを倒すつもりか!』
 バークレーの小馬鹿にした笑いが戦場にこだまする。
 お返しとばかりにホーミングミサイルなどがラインホールドの各所から飛び出した。
「対空砲火急げ! 機銃迎撃しろ!」
 周囲を護衛しているKVや壱番艦に搭載された機銃がミサイルを撃ち落していく。
『馬鹿め!』
 だが、それこそがバークレーの狙いであった。
 ラインホールドの右腕が壱番艦を狙って向けられ、巨大な砲塔が首をだしそこから巨大な砲弾が飛び出す。
「総員、対ショック体勢! 操舵手、面舵一杯!」
 ミハイルが命令を下しながら手すりに捕まった。
 鋼鉄の塊はユニヴァースナイト壱番艦の下を抜けるも装甲を抉り衝撃を与え、ぶつかった遠方の地形が爆発により姿を変える。
「第三艦橋消滅! 隔壁閉鎖開始、被害状況知らせよ!」
『機関部損傷20%、下部砲座使用不能! 主砲チャージに遅延の可能性アリ!』
「一撃がかすった程度でこれか。主砲がかすった弐番艦の被害も納得できる」
 崩れた髪を整え、ミハイルはラインホールドを睨んだ。
「だが、時間稼ぎは十分だ‥‥」
 ミハイルが立ち上がると、壱番艦と対角線上に回り込んでいた弐番艦が搭載されている砲塔を向けて大口径M3帯電粒子砲を連続して発射している。
 ラインホールドにフォースフィールドが展開され、砲撃を防ぎはじめた。
『小癪な‥‥次こそ落としてくれる』
 ラインホールドの左腕が弐番艦に向けられたとき、ミハイルの目が見開く。
「今だっ、主砲発射用意!」
「主砲発射用意、エネルギーチャージ60%!」
「多少の出力不足は構わん! 撃て! 敵はまた攻撃をしかけてくるはずだ機関部、操舵手共に回避運動用意!」
 ミハイルの連続した命令に艦橋のクルーは復唱をすばやく返し、作業を各部署へと伝達していった。
 ユニヴァースナイト壱番艦からの主砲を受け、ラインホールドの巨体が始めて揺らぐ。
『面白い‥‥このラインホールドの装甲を貫いたか こちらも主砲発射だ! 目にもの見せてくれる』
 ラインホールドの揺らいだ巨体が壱番艦の方へと向いた。
 両肩の砲門が壱番艦に狙いをつける。
「あれがやつの主砲だ! チャージに時間がかかるはずだ。回避体勢を維持しつつ大口径M3帯電粒子砲を一斉発射!」
 囮としての一番の役割である主砲のひきつけ‥‥あとは確実に避けて転機とすることがミハイルと壱番艦クルーに課せられた使命だった。


「発射シークエンスに入りますが‥‥冷却装置を破壊されているため主砲、副砲共に冷却時間が延長されていますが‥‥」
「くどい、貴様は命令に従っていればいい。一撃で仕留めれば変わらん! 雑魚は試作ホーミングレーザーで蹴散らしてやれ」
 異形のものさえもいるブリッジクルーに向かいバークレーは命令を下す。


 両肩の主砲が発射準備にかかる間に装備されている試作ホーミングレーザーが放たれた。
 横から飛び出した光がまがり、UKの周囲を飛ぶKVを狙って飛ぶ。
 飛翔し避けようとするも、レーザーは曲がり誘導ミサイルのようにKVを追いかけた。
「ついでにプロトン砲もくれてやれ」
 逃げ惑うKVの進路を塞ぐようにラインホールドの全身にハリネズミの用に搭載された砲塔が展開し、淡い赤色の光線が飛び出す。
 飛び出す光と、追いかけるレーザーに挟まれKVが爆発と共に消えた。
「発射シークエンス完了。主砲発射できます」
「閣下、ご命令を」
 クルーの返事を受け、副官ともいえる秘書官がバークレーの一声を待つ。
「やつらに『力』というものを見せてやれ、主砲発射‥‥目標、正面の白い奴だ」
 バークレーの命令と共にラインホールドの両肩から光条が真っ直ぐ壱番艦を目指して道を作りだした。
 弐番艦からの情報を得て、警戒していた壱番艦は全力上昇をもって回避を行う。
 ユニヴァースナイトの下をレールの様に光が通り過ぎた。
 巨大な戦艦が大きく動いたのだから、中の状況はヒドイ有様だろうことはバークレーにも読める。
「左副砲、航空散弾で用意。人類の希望とやらを打ち砕いてやれ!」
「左副砲、航空散弾用意!」
 命令を復唱した部下が作業に取り掛かった。
「これは! ‥‥高熱源反応きます!」
 バークレーの余裕を消すオペレーターの声が上がる。
 たいした攻撃もしていなかった弐番艦が主砲を発射したのだ。
 正面の壱番艦に気取られていて、隙ができていたのである。
「直撃しました、左足に被弾! 損傷は調査中です! 脚部に敵機動兵器が固まってきています」
 オペレーターが続けざまに報告をバークレーにしだした。
 艦橋に映像がピックアップされ、脚部にKVが集まって攻撃を仕掛ける様子が見て取れる。
「ヘルメットワーム達にKVの相手をさせろ、後ろの艦にはフェザー砲を見舞ってやれ!」
 たいした攻撃ではないが、そのちまちまとした攻め方に腕を組んでいたバークレーは苛立たしく足でリズムを刻み始めた。
 傍にいた秘書官は何も言わず指示に従い、戦闘の行く末を見守りながら戦況を絶えず伝えていく。
 体勢を取り戻した壱番艦からも粒子砲が何発も打ち込まれたし、挟まれる形で戦闘が継続された。
「こんなところで‥‥終わる男ではない、そうだろう? 副砲、正面の白い奴に向けて撃て!」
 バークレーは誰にともなく問いかけると、命令をだす。
 ラインホールドから放たれた弾頭は壱番艦の真上まで飛ぶと花火のように弾け、流星のように降り注いだ。

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シーン2
●全力突貫せよ
「壱番艦、航空散弾を被弾しかなりの損傷を受けている模様。大口径M3帯電粒子砲の6割が大破」
 オペレーターの悲痛を押し殺した声が弐番艦の艦橋に響く。
「何と言うことだ‥‥」
「主砲でなくてもあの威力、各自警戒を怠るなよ」
 弐番艦の艦長とハインリッヒ・ブラット(gz0100)准将は目の前で起きた事実を無理やり受け止めた。
 上が動揺しては下は動きはしない。
 だが、補修をして動いている弐番艦でどこまでやれるかは半ば精神論に近くなっていた。
「オペレーションβに向けて最後の詰めだ。G4弾頭はどうなっている?」
「ガリーニンに積み込まれ、到着まであと150セコンド」
 ブラットの問いかけにオペレーターが答える。
 プラズマ粒子を展開する特殊弾頭であり、これによってラインホールドでダメージを与えようという作戦だ。
 名古屋大規模作戦と同様の手段で地上のギガワームと呼ばれるラインホールドを相手にする。
 護衛などに能力者や多くの兵士が犠牲になる作戦だったが、手立てを選んでる場合ではないのだ。
「ラインホールドの意識をこちらや壱番艦に引き付けろ。囮のガリーニンもあるが、油断をゆするな」
 艦長がクルーに指示を出していると、ラインホールドの左半身にやや二方向よりガリーニンの編隊が近づいてくる。
『あれはガリーニン‥‥そうか、名古屋と同じ作戦を使おうというのか。全て撃ち落とせ』
 バークレーの声がラインホールドから響き、両肩のホーミングレーザーやホーミングミサイルがガリーニンを狙って飛びかった。
「何としてもガリーニンを突撃させろ、大口径M3帯電粒子砲一斉発射! 主砲SoLCもエネルギー充填後攻撃に移れ!」
 艦長よりも先にブラットが命令を下し、クルーが動く。
 艦の表面についている砲塔が一斉にラインホールドの砲門に向き、粒子の矢を連続で放った。
 せりあがっている主砲もラインホールドの左足を再び狙って光を集めだす。
 ガリーニンが次々とラインホールドに向かって突撃し、フォースフィールドが点滅するよう光って見えた。
「主砲、撃てーっ!」
 艦長の号令と共に左足に向けて今一度太い槍のような光が飛び、ラインホールドの左足の装甲を溶かす。
 そのとき、一機のガリーニンが爆発し、大きな光がラインホールドを包み込んだ。
「G4弾頭本命炸裂を確認!」
「よし、敵の損傷は?」
「わかりません! G4弾頭の影響でセンサーが一時ダウン」
 オペレーターと艦長がやり取りを行い、それをじっと見ていたブラットは静かに口を開ける。
「艦長、突撃準備だ」
「准将! それは作戦には‥‥」
「ラインホールドを今の一撃で落としきれたか不明である以上、打てる手は打つべきだ。今ならば、艦を突撃させる好機でもある」
 艦長の戸惑う様子に対しブラットは冷静なまなざしでラインホールドを見ながら答えた。
 弐番艦に搭載されている艦首大型回転衝角‥‥対艦ドリルを使おうというのである。
「総員に告ぐ、本艦はラインホールドに突撃を行う。繰り返す、本艦はラインホールドに突撃を行う」
 艦長はブラットの顔を今一度確認し、その目が冷静であることを知ると伝令をした。
 艦橋に緊張が走る、巨大な戦艦をそのまま敵にぶつけようというのだから仕方ない。
 訓練はしたものの、実際に使う機会があるかどうかは定かでは無い兵器なのだ。
「電力ライン、主砲より対艦ドリルへ変更‥‥出力上昇! メインブースター加速まであと20セコンド」
 オペレーターが画面を見ながら作業を行うと、艦橋から見える先端のドリルがゆっくりと回転をしはじめる。
 回転が速くなり、駆動音が木霊した。
 ヘルメットワーム達がそれを脅威と思ったのか近づきだす。
「ユニヴァースナイト弐番艦‥‥突撃! 機銃で援護しろ!」
 メインブースターが点火し、さらにサブブースターも火がついて弐番艦が加速した。
 対空機銃が飛び交い、近づくヘルメットワームを釘付けにすると回転するドリルがフォースフィールドを紙のように引き裂いて潰す。
 並み居る敵などいないかのように次々とヘルメットワームを蹴散らしながら弐番艦がさらに勢いを挙げた。
「エンジン臨界点まで到達します!」
「突っ込めぇぇぇっ!」
 ブラット准将の声と共に弐番艦はラインホールドの背中にぶつかり、フォースフィールドを突き破る。
 主砲で焦がすことしかできなかった装甲を弐番艦の対艦ドリルは抉った。


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