タイトル: 【共鳴】ハーモニウム マスター:WTRPGマスター
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シナリオ形態:連動依頼
難易度: 特別
参加費: シナリオ参照
参加人数: 特別
報酬:作戦参照
備考:シナリオ連動イベント
■オープニング本文


 苛烈を極めたボリビア戦線の記憶も既に遠い晩秋。
 ラスト・ホープのUPC本部周辺は、今日も大勢の傭兵で賑わっていた。
 否、在るのは傭兵たちだけではない。
 戦乙女「ブリュンヒルデ」と、その乗組員‥‥すなわちマウル・ロベル率いる特殊作戦軍の面々も、日々職務に勤しんでいたのである。

 ラスト・ホープ地下の整備施設。
「ブリュンヒルデのスタンバイにはもう少し時間が必要‥‥まぁ、そうでしょうね」
 メカニック長から被害状況と修理完了に要する時間の概算を聞いたマウル・ロベルは、可愛らしい眉をきゅっと寄せた。
 薄れつつあるボリビア戦線の記憶が蘇る。そう、南米の地で戦乙女は被弾し、翼をもがれたのだ。
「じゃあ、私たちも休暇なの?」
 マウルに随伴していた白瀬 瑠美が、ほんの少し頬を緩める。
 若干19才で情報処理と管制を一手に担う部下を労いたいのはやまやまだが、その権限はマウルにはなかった。
「残念だけど、兵舎内待機の命令がでているわ。昼間少し出かけるぐらいなら目を瞑るけど」
「つまらないの」
 ぷう、と頬を膨らませる瑠美。
 と、彼女の携帯端末が音を立てて鳴った。
 ディスプレイに浮かぶ発信者の名前は、アナートリィ。
「マウル艦長、白瀬少尉。至急オフィスまで戻って下さい。ご来客です」

 所変わって特殊作戦軍オフィス。
 急ぎ帰り着いた2人を、アナートリィの他に珍しい顔が2つ、待ちかねていた。
「久しぶりだな、お嬢さん方。ご機嫌麗しゅう」
 ひとつはUPCリヴァプール伯ウォルター・マクスウェル。そしてもうひとつは
「ええ、安心いたしました」
 龍堂院 聖那である。
「准将、それに龍堂院さんも。カンパネラ学園を代表されるお二人が、揃ってお越し下さるなんて」
 ソファでティーカップを傾ける来客の向かいに、マウルと瑠美も腰を下ろした。
 無駄なフットワークの良さで、アナートリィが紅茶を運んでくる。ジャムがたっぷり入ったロシアンティーなのは、言うまでもない。
 文句を言わず啜る英国紳士の忍耐強さに、マウルはそっと感謝した。山盛りになったピロシキ(茶菓子のつもりらしい)にさっそく手を伸ばす留美を横目に、早速来訪の意図を訊ねる。
「ご多忙なお二方が、まさか世間話をなさりにいらしたのでは、ありませんよね?」」
 ラスト・ホープに付随するカンパネラ学園。関係者と膝を交えて話すのは、グリーンランドでの作戦行動以来のことだ。
 あれは確か雪降る2月。季節は随分、巡っている。
「お嬢さん方は、ハーモニウムと言う名をご存じかな」
 マクスウェル卿が、出しぬけに問うた。
「ハーモニウム? 確か、2月の戦役でグリーンランドに出没した強化人間集団では‥‥」
 曖昧な記憶に顔を見合わせるマウルと留美。優雅な手つきで紅茶を嗜んでいた聖那が後を引き取った。
「ええ、少佐の仰るとおりです。一時期なりを潜めていたのですが、最近また活発な活動をはじめました。‥‥現時点ではゴッドホープ基地で対応していますが、そろそろひとつの『案件』として、軍全体で情報を共有すべき時期にあると、私と准将は考えています」
「なるほどなの」
「被害状況、戦力はさほどではない。だが‥‥」
「だが?」
「何処がと言うのは難しいが、今までのバグアや強化人間とは少し違う、というのが我々の意見だ。そして、面白い事実もある」
 マクスウェル卿の目配せに、聖那がポートフォリオを取り出した。
 2月の戦役以降に軍が確保した「ハーモニウム」の捕虜の写真が数枚、テーブルに広げられる。
「見てのとおり、彼らの着ている服は『メトロポリタンX』と一緒に陥落した、北米軍学校の制服に酷似しているのだ」
「‥‥准将、それはどういう?」
 戸惑いを含むマウルの問いに、マクスウェル卿は肩を竦めた。
「それをこれから一緒に調べたいのだよ、UPC特殊作戦軍少佐、マウル・ロベル殿。無論、オリム中将の許可は頂いてある。大切なお嬢さんをお借りするわけだからね」
「欧州軍の准将さんは、手際がよろしいことで」
 強引なやり口に、マウルは呆れたように呟いた。一方留美は幸せそうに、ピロシキを頬張っている。
「よろしくお願いいたします。では場を、学園に移しましょうか。詳しい資料と、解説にあたる学生を用意してあります」
「あ、あの」
にこやかに場を〆かけた聖那を、アナートリィの戸惑い気味の声が制した。
「艦長、このあと『ブリュンヒルデ』の戦力の配備について、KV隊とジョーダン中佐を交えてお話になる予定では‥‥」
「いけない、うっかりしてた。困ったわね、トーリャはともかく中佐は多忙な方だし‥‥」
 露骨な暇人扱い(実際、演習以外やることはなかったりしたが)に、アナートリィがむっとした顔をする。
 助け船を出したのは、意外なことに留美だった。
「学校に行ってお話を聞くだけなら、あたし一人で問題ないの。艦長はトーリャさんとジョーダン中佐と、キャッキャウフフなの」
「ちょ、何を言っているの!」
 マウルは僅かに焦り、声を荒げた。
 しかし留美の提案に勝る答えは、見つからない。
「‥‥わかったわ白瀬。准将と龍堂院さんと一緒に学園に行って頂戴。むしろ情報収集と解析なら、あんたが一番適任ね」



<執筆:クダモノネコ>
<Event illust : mina>
 

■解説

基礎情報 【共鳴】Q&A
追加情報1 ハーモニウム構成員と【共鳴】関連依頼※6月1日更新
追加情報2 アジト跡から発見されたハーモニウム記録映像

笠原 陸人(gz0305)

イラストレーター : 慎

カンパネラ学園生徒会事務部雑用係の、笠原です。
グリーンランドで最近、よく耳にする名前「ハーモニウム」。
バグアの強化人間集団なんだけど、ちょっと変わった連中です。
うまくいえないけれど、僕たちと同じように仲間を大切にしているっていうか‥‥。
僕はバグアが嫌いだし、キメラならたくさん殺しています。
でも、できれば、ハーモニウムとは‥‥。
っと、ごめんなさい。何でもないです。

ハーモニウムへの対応は、カンパネラ学園と現地の基地があたっていましたが、
このたびマウル少佐率いる特殊作戦軍も力を貸してくれることになりました。
もちろん、大きな作戦が入っていない時に、になるでしょうけれど。
皆さんのお力も、借りることになるかと思います。
どうか、よろしくお願いしますねっ。

初心者歓迎! チームを組んでトーナメントに挑め
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