用途限定ナイトフォーゲル普及の可能性

能を搭載しています」と語るのは、MSI社の広報担当である。
 MSI社のプレスリリースによるとラージフレア「鬼火」は人型時における近接戦闘支援用のラージフレアであり、敵前で目くらましを行い、格闘戦を優位に進めることが可能である。
 フレキシブルモーションは可動域の広い腰部ブースターと、その応用により白兵戦の自由度を向上させる噴進運動プログラムである。当初、この機能はパイロットに技量に頼るものであり潜在的な性能は非常に高いものであったとされる。しかし、兵器である以上は誰もが使える安定性こそが重要であるという意見によりパイロットの技量に寄らず一律に能力を引き出せる方向性へとシフトしているようだ。

KVのシェア分析

 ここに面白い分析が存在する。
 UPCが音頭をとったバレンタインチョコレート争奪戦において競技に参加した活動的な傭兵の主要な搭乗機のデータである。
 いわゆる中堅機といっても、その定義は曖昧であるが、ここでは200万C以下、100万C以上の機体について見てみる。
 XF-08A(200万C)が14機、A-1(185万C)が8機、R-01E(175万C)が32機、XN-01(120万C)が7機、XA-08B(100万C)が23機である。
 バレンタインチョコレート争奪戦参加者
     所持機体傾向
 高級高性能KVの代名詞CD-016「シュテルン」
 これに対して高級高性能機の代名詞といえるCD-016(370万C)は47機、XF-08D(330万C)は33機もの数が傭兵達によって運用されている。
 もちろん全体数では中堅機の数が勝っているものの、機体の種類が多い分、一機当たりに対するユーザーの数では負けているのである。決して利益率が高いとは言えない中堅KVにおいて、これは苦しい状況といえる。
 アヌビスもまた、愛好家を生み出しうる魅力的な特徴的を持つKVであるものの、シェアの獲得があやぶまれ、傭兵向けの販売を開始するまでにずいぶんと時間がかかっている。それがどうして販売に踏み切ったのであろうか。

ULTによる出撃コストの見直し案

 関係筋によると、UPCとULTによってKV出撃におけるコストの見直しを図る検討会が設置されたという。これがMSI社を今回の販売に踏み切らせたという説がある。
 この検討会はまだ具体的な方策は固めていないとのことだが、その
目的はKVの出撃にかかるコストの最適化であるとのことだ。
 これまでKVが必要とされる依頼に出撃させる機体は傭兵の完全な自主選択に任されていた。その為、依頼の内容によってはいささかオーバースペックであるという状況も存在した。極端な話をすれば、ヘルメットワーム1機にCD-016が8機も10機も必要であるかということである。
 必要とされる状況に応じて出撃させるKVを制限し、それによって適切な戦力配分を実現させる。もし、この構想が実現すれば、これまで高級高性能機の影に隠れていた日の当たりづらかった中堅KVも効率的に運用する目が出てくるだろう。
 もちろん、これは検討段階のものであり、具体的なスケジュールはもちろんコスト見直し案が実現するかは未だ不透明である。出撃コストの設定の仕方ひとつをとっても、様々な意見の調整が必要になるだろう。
 MSI社の経営判断が適切であるかについては、今後の動向を見守る必要があるようだ。
 
            めくる

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