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よぉ、坊主。ここの格納庫は初めてか?
ん? きょろきょろしても、ここにゃ何もねーぞ。 |
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ははーん、アレか。 おまえ、俺が参番艦のパンフ、徹夜で作らされたってウワサを聞いてここにやってきたな。 |
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いいから聞いてけ。
それとも、俺があの爺さんにとっ掴まる前にカジノで遊‥・・警備してた時の話のほうがいいか? |
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「‥・・参番艦で。っていうか、ユニヴァースナイト参番艦って、そもそも何なんだ?」 |
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何なんだ、と来たか。いいねえ。そういう冗談は俺、嫌いじゃない。
じゃあま、ざっくりおさらいと行こうや。
「参番艦」は「壱番艦」「弐番艦」と違い、海の上と中だけをいく潜水空母だ。
こないだのカメル戦で出撃したのは知ってるよな。
今は北極海へ移動しながら、そん時のケガを修理してるってハナシだ。
大方は、台湾で直したって話だけどな。 |
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「あの時のか。俺、弐番艦側にいたんだけど、ヤバかったらしいな
で、修理しながら航海に出てるって?」 |
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不安そうな顔しなさんな、初航海の時もそうだったから問題ない。ノープロブレムだ。
ちなみに艦長は爺さんなんだがな‥‥この爺さんが腰抜かすほど怖ぇのよ‥‥。
そうじゃなきゃ、誰がパンフなんざ‥‥。 |
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「へぇ。で、傭兵向きにパンフだなんて、クルーでも集めるのか?」 |
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いや。あいにく主運用、専属艦載部隊共に職業軍人から選出されるってさ。
他のUKと同じ、狭き門って奴だ。職業軍人としての職能が必要だからな。
俺も一応正規軍属なんだけど、招待状はこなかったな。
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「あー、その辺の理由は大体わかった。で、飛べないっていうけど‥‥?」 |
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ま、そこがまず目に付くよな。飛べないって事はヤバイ事がある。
でかすぎて、腹がつかえるから沿岸には入りにくいんだとよ。どんなメタボだよと。
ま、これは何とかなる、って上は言ってたが、上の言う事だし、話半分以下だな。。 |
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「聞いてると不安になってきたけど、大丈夫なのか?」 |
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我がUPC‥‥もとい、人類の科学技術の結晶ってやつだぜ、弱いわけねえだろうが。
アジアのメガコーポ三社がよってたかって作りこんだらしいしな。
飛びはしないが、その分でかい。衛星を撃つっていう弐番艦のSoLCみたいな射程は無いが、
沿岸からの対地制圧射撃は戦艦数隻分ってハナシだ。
普段は、回転甲板の裏側に隠れてるが、対空装備もハリネズミみたいだって売込みだぜ?
それにまだ秘密兵器があるってウワサだが、そこまでは俺も知らねーな。 |
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「そんだけあって、何でこないだはあの体たらくだったんだよ」 |
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そういいなさんな。
ここだけのハナシだけどな、UPC正規軍って言っても各国からの寄せ集めだったり、寄り合い所帯だ。
サポート艦隊は出撃先の国から出ることになってるが、このご時世、どこの国もそんな余裕はねえからな。
能力者は少ないし、全体の結束力も強いとは言えない。そこで必要になるのがアンタ達傭兵の力だ。
ザルの目を詰める‥‥って言えばわかりやすいか? 今回も、何やら力を借りたいらしいぜ。 |
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「‥‥あー、それでそんな物作らされたのか。大変だな、あんたも」 |
執筆 : クダモノネコ
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