シェイド討伐戦 ‐ 追加情報8
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歩兵支援に関する諸資料‐追加情報8‐

【サイレントキラーの投入】

【新型ティルトローター機「エピメーテウス」】


●ティルトローター機・イメージ画像
※ラストホープ上空を飛行するティルトローター機。
 細部は違うものの基本的な構成はV22によく似ている。
 「エピメーテウス」も概ね同様の構成である。

●能力者輸送航空機「エピメーテウス」
 ティルトローター機(乗員5名、積載人数最大24名)
 生身の能力者(AU-KV含む)を激戦区へ直接投入することを目的とした能力者輸送航空機。
 UPC正規軍が使用している「V22オスプレイ」にサイレントキラーの消音エンジンを積み、装甲を強化している。
 垂直離発着と短距離離発着、空中停止が可能。
 最高速度は565 km/h、機内に制圧用小火器(SES付)を設置可能。これはパイロットが使うものでなく、搭乗している能力者が使用するものである。
 今回、サンタカタリナ島の制圧任務において投入が決定している。

 現在は初期型であり、兵員輸送に特化されている。
 将来的な発展型が検討されている。


●陸戦傭兵からの提案
「これが傭兵からの作戦提案よ」
 UPC特殊作戦軍のマウル・ロベル(gz0244)少佐の元に寄せられた作戦提案書の束。マウルはそれを部下の前に置く。
「なるほど。色々と面白い案が出ていますね」
 部下の軍人が目を通しながら感想を述べる。
「やはり積極的に作戦提案を行うタイプは、軍事に関する含蓄もあるみたいですね。特にデルタ作戦じゃ、サイレントキラーによる近接航空支援とか、海上の艦隊による上陸支援とか」
「あー、その辺は全部採用できなかった分。彼らが悪いわけじゃないんだけどね。私が重火器の使用制限とかカタリナ島のキメラの生態について、ちゃんと伝えなかったから。他のところも似たり寄ったりね」
 デスクで頭を抱えているマウル。「傭兵がろくな案を送ってこなかった」と責任転嫁するわけにもいかない。結果として「意見を聞いてくれるUPC」に期待してくれた傭兵達の期待に応えられなかったのは悔しくてならない。
「兵科間連携に意欲的な傭兵がいるなら、今後の作戦展開の幅がもっと広がりませんか?」
「それなんだけどねぇ‥‥。歩兵としての傭兵って、他の兵科との連携ってあんまりやってないのよね。理由は簡単でさ」
 部下が傭兵の意見を読みながら兵科間連携について希望的な観測を述べる。しかし、マウルは楽観的な意見に肯定的ではない。
「ようするに、剣や銃を持ってキメラに突撃するって単純な内容に比べるとややっこしいのよ。味方の航空支援だの、装甲車両の援護射撃だの。知識や経験のある傭兵はいいけど、全員が全員そうだってわけじゃないから」
 マウルの懸念点は傭兵の軍事的な素養の格差を指摘している。軍人や兵隊であれば、訓練と座学でしこたま叩きこまれるが、傭兵は基本的に自由であるからそうした画一化した“質”は望むべくもない。それを責めたいわけでもない。画一的でない自由さが傭兵の強みであるのだから。
「便利なんだけどね。旋龍で前線航空管制(FAC)やったり、リッジウェイ1台に依頼参加者が乗り込んでみたり、サイレントキラーで近接航空支援をしたり‥‥兵科間連携ができるようになれば、今の傭兵のスタイルじゃ使いづらい機体や機能を活用できるようになるわ」
「教本でも作りますか? 兵科間連携にわかりやすい例題を作ってみせて。『だいたいこんな感じ』ってとこまでできれば、後は傭兵が臨機応変に対応してくれますし」
「教本ね。ビデオマニュアルなんかの方がいいんじゃない? 上申はしてみるけど、何にせよ大規模作戦が終わってからかしら? サイレントキラーや旋龍、プチロフで開発中の新型ヘリKVとか使い道はあるし。発売して欲しいって要望は多いみたいだから、推進派はこの流れに乗るかもしれないわね」
 デスクから立ち上がって伸びをするマウル。頭を抱えているばかりにもいかない。
「ヘリって言えば、MSIの新型ティルトローター機、悪くないみたいね。デルタ作戦でいけそうね」


 ***

●兵員輸送航空機「エピメーテウス」
 時は遡る――。
「大量兵員移動のできる輸送ヘリもしくは航空機の開発ですか?」
 アジア3大メガコーポレーションの定期懇親会席からの帰り、椿・治三郎(gz0196)中将に呼び止められたダニエル・オールドマン(gz0195)。
「左様。現在の航空輸送手段は従来機からの降下や非武装の高速艇だが、激戦エリアへの直接投入は非常にリスクが高いのでな」
 陸兵輸送には装甲車に混じってリッジウェイがすでに導入されているが、空輸手段はない。
「奉天から提案中の西王母が、補給機だったと思いますが?」
 西王母は弾薬と燃料用補給機をKVだが、傭兵用の輸送コンテナを改造して兵員が輸送できるようにすれば15、6人は輸送できるだろう。
「だが、KVとなると使い手が限られてしまう」
「そうですねぇ‥‥そうなると既存のフレームに装甲を足し、エンジンを載せかえる方法となりますが‥‥」
 ここでピンと来たダニエル。
「垂直上昇機をお考えですか?」
 でなければ西王母の販売を前倒しにしたり、オプション開発指示ですむはずであるが、わざわざMSIに話を持ってくる必要はない。
(「隠密性が高く、素早く大量な兵士の動きか‥‥」)
 昨年MSIが軍に納品したサイレントキラーは純粋な攻撃ヘリから多目的汎用ヘリに仕様変更しているが、それでも定員4名である。
「そうなりますとCH−47か‥‥V22がベースになりますね」
「CH−47は兎も角、『オスプレイ』か‥‥」
 開発開始は1982年。バクア到来前に米国航空大手2社共同が開発を進めていた垂直離陸が出来るティルトローター機(乗員5名、積載人数24名)である。だが、試作機においては特殊な機体構造故なのか、不幸な事故が続いたいわくつきの機体でもある。
「ですが、それは過去の事。量産化実験に成功して配備されています。KVという事ではないのであれば多少の改良で済みますでしょう」
とダニエルが苦笑いをした。
 バグア到来後の政財界の混乱と再編成(主に現メガコーポレーションの台頭)の中で開発会社は二転三転したものの、最終的にUPC軍が非能力者の作戦展開能力を増強する為に最終開発を推し進めた経緯がある。
 元々が米国製ということで現在はドローム社が生産を行っているが、ライセンスはUPC軍のものとなっており、UPC軍が調達しやすい機体の一つである。


 ***

「‥‥で、MSIにお鉢が回ってきたんですか?」
 チャレンジャーですね。とS・シャルベーシャ(gz0003)。
「駄目かね?」
 サイレントキラーを提案した男が何を言う。とダニエルが返す。
「いや、面白いと思います。『ウィドゥメーカー』は、俺がいた時は『味方殺し』と悪評が高かった機体ですが、『オスプレイ』の評判は聞いています。あれにサイレントキラーのテクノロジーを積めば、そこそこ『いい線』いくでしょう」
 武装はどうするのか? とサルヴァが尋ねる。
「今回は急ぎ軍からのオーダーだ。搭載設備はつけないで行こうと思うんだが?」
「兵員移送という点から言えば戦地を単体で飛びませんからね、よろしいかと。それに装備がない分、医療用に転用も簡単に出来るかと」
 大規模作戦ともなればMRIやCTスキャンを備え、心臓外科と言う高度医療が出来る車輌も後方配備されているが、そこ迄の移送が大変である。
「まあ、作戦中は傭兵から貸出して欲しいと言われるかも知れませんが、それはイレギュラーでしょう」
 貸出権が売り出されるのならば、取扱いのし易いコンパクト化と武装が条件になるだろうが、サイレントキラーに手を加えた方が簡単である。
 サイレントキラーに導入されている消音エンジンをのみを導入しても今使われているCH−47と余り代わりがない。
「仮に武装をつけるなら、40mm機関砲と20mm磁力砲‥‥それに高軌道レーダーシステムか妨害電波中和装置でもつけてやれば俺は充分のような気がしますがね? どうせ、ヘルメットワームと戦うような柄じゃない」
 時間があれば100kmくらい山道を走れる丈夫なタイヤを着けて欲しいところですが。と勝手なことを言う。
(V22はローターと主翼を折りたたみコンパクトになり、揚陸艦にも艦載出来るのだ)
「名前はどうするかね?」
「『エピメーテウス』ってのは、どうです?」
「‥‥ギリシャ神話のプロメーテウスの弟だな。パンドーラの夫で‥たしか『後で考える』とか『後悔する』という意味だったと思うが」
「そうとも言えるでしょうが、事態に応じて臨機応変に考えるって事です」
 それにプロメテーウスはヘラークレースに開放されるまで肝臓をハゲタカに啄ばまれましたが、エピメーテウスは、パンドーラが全てが詰まっていた箱を開けた後に起こった厄災を免れ、その後起きた大洪水をも生き延び、パンドーラと仲睦まじく暮らしたって話ですから逆に縁起がいいですよ。と、サルヴァはにやりと笑った。


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