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本情報ページは偵察作戦の進捗に応じて随時情報を更新していきます。
●天より降りくる破滅 ― 『ゲート』
偵察作戦により、明らかとなったバグアの基地。
それは、バグア本星からの物資供給を可能とする『港湾施設』であり、
大量の兵力をローコストでバグア本星から地球に搬入することが可能というものであった。
それはこの戦争の早期終結させるものであった。−−そう、バグアの勝利という形で。
だが、偵察が成功したことにより、北米から極東ロシアに向けて早い段階で援軍が出撃することができた。
ラインホールドがウダーチヌイに出現したことにも苦戦の予感は走ったものの、
驚きはあまりなく、むしろ十分な援軍を用意できたことへの安堵もあった。
ロシア西部でのバグア軍の攻勢によりロシア本国軍は援軍出撃の見通しは立たず、
疲弊気味の極東ロシア軍では戦力が不足している。UPC北中央軍の戦力が
主戦力にならざるをえないことは明白であった。
その重要性からかUPC北中央軍の援軍の中にヴェレッタ・オリム中将の姿があり、
機動力の高さから先発して極東ロシアに展開している傭兵達を統括する為に
ハインリッヒ・ブラット准将が現地に赴く。
UPC軍が後手を取ることなく対応できたのは、傭兵を中心としたウダーチヌイ偵察作戦の成果によるもので
その戦略的な功績は功績は非常に大きい。
関連作戦に参加した傭兵達にはこの功績の大きさを称え、大規模作戦完了後に勲章を授与することを決定した。

<写真 : 傭兵によって撮影された『ゲート』の写真>
<ウダーチヌイ偵察作戦・共通オープニング>
●魔女の婆さんの鍋の中
廊下に響く靴音。一歩一歩進む毎に、ロングコートの裾がなびく。
上層部において決した作戦の概要を思い出し、ミハイル中佐は思わず顎鬚に手をやった。諜報部が真面目に仕事をしている、という事なら歓迎すべき自体だ。だが、これまで思うような成果のあがらなかった情報戦で、突然優位に立ったとは考え辛い。
――とはいえ。
「考えても詮無い事だな」
その裏に何らかの意図があろうと、無かろうと、そんな事はどうでも良い。
彼自身、軍人は政治に口を差し挟むべきではないと考えている。それに、この偵察作戦そのものが、この情報の真偽を確かめる為のものだ。要は、作戦を成功させればそれで良い。権限以上の事に思いを馳せるべきではない。
(余計な事は忘れろ。まずは、この作戦に集中しなければ‥‥)
ドアを開く。
「総員起立!」
副官の鋭い言葉が飛んだ。
「敬礼!」
「構わん、楽にしてくれ」
「ハ‥‥着席!」
作戦に集まった傭兵達を前にして、ミハイルは小さく敬礼を返した。
彼等は、この偵察作戦を成功させる為にかき集められた。その数、数十名にも及ぶ。
「志願戴き、感謝する。それでは、さっそく作戦の概要を説明させてもらう」
彼がそう切り出すと、副官が部屋の明かりを落とし、映写機の電源を入れた。
画面に映し出されたのはシベリア、サハ共和国首都ヤクーツクを中心とした地図。北部からヤクーツクまではレナ川が流れており、南東にはオホーツク海が広がっている。南西のバイカル湖はバグアの勢力圏内に、南方のハバロフスクから北東のコリマ鉱山周辺は人類の勢力圏だ。
そして、ヤクーツク北西、ウダーチヌイが地図上に表示された。
「作戦目標、ウダーチヌイ」
ミハイルの言葉に、作戦室が静まり返る。
ウダーチヌイにはウダーチナヤ・パイプと呼ばれる、直径1km、深さ600mにも及ぶ露天掘り鉱山があり、この鉱山施設を中心に複合軍事施設の建設が進んでいる――諜報部の得た情報を元とし、上層部が出したこの予測が正しければ、バグアは、このシベリアを中心に侵攻作戦を企てている事となる。
問題は、その情報が果たして正しいのかどうかだ。
これがもしブラフで、人類が大戦力を投じた結果何も無かった等と言うお粗末な結果に終わった場合、戦力が引き抜かれて手薄になった戦線に対し、バグアは嬉々として攻撃を開始するだろう。
「確証が必要なのだ。でなければ、貴重な戦力を振り向ける事はできない」
事実であれば、敵の迎撃は苛烈を極めるであろう。
まさしく、魔女の婆さんの鍋の中へ自ら飛び込む事になる。副官が作戦計画書を取り出し、ミハイルへと手渡す。
「では、各種作戦の説明に移る。まずは――」
執筆 : 御神楽
●ウダーチナヤパイプ
今回、バグア軍の複合軍事施設が秘密裏に建設されているという情報が
持ち込まれた露天掘りのダイヤモンド鉱山です。
直径1km、深さ600mにおよぶ巨大な穴は、らせん状に作業車両が
降りられる通路が作られていますが、その斜面は急角度となっており、
穴の底もかなり広くなっています。
穴の底をのぞくには、かなり接近する必要がある為、これまでその中に
何かが作られているとは誰も気づきませんでした。

<写真 : ウダーチナヤパイプ。写真はバグア襲来以前に撮影されたもの>
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