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●分かれる思惑、組めぬ連携
「アジア地域は幸運な地域である」
とある将校の嫌味を抜粋するまでもなく、アジア地域の状況は芳しくない。
アラブ地域が陥落し、敵がロシアを突き抜けて東西が分けられてから既に一年半。
敗北の原因となった各国ブロック体制と軍閥の対立は解消されないままではあるが、
南アジアは、敵の主要な目的とならなかったということで、
ここまで占領を免れているといっても過言ではない。
マルートスタン・インディア(MSI)、奉天北方工業公司、銀河重工という
3つのメガコーポレーションを抱え、世界有数の生産力を持っている同地域ではあるが、
それぞれの勢力が未だ自らの利益を重視するブロック体制化から抜け出せておらず、
バグアへの明確な勝利はなかなか報告されず、度重なる敗北を重ねてきた。
そんな同地域に光明が見えたのは最近のことである、
度重なる敗退の責任をとって退陣した経営陣に変わって入った新しい力によって、
MSIではディアブロ、銀河重工では雷電とミカガミに代表されるヒット機体が生み出され、
奉天では究極の価格帯を追求することによって、大きなシェアを持つに到った。
だが、明るい兆しが見えたのも束の間、
ヨーロッパ攻防戦によってイタリア半島から追い出されたバグアは、その戦力をインド国境に集結。
ゲリラ戦を続ける北京からの増援もあわせ、過去例を見ないほどの規模で、
バグアの侵略作戦が開始されようとしていた。
<写真 : 電子戦闘機、ウーフ。機体コンペディションでは、価格面から岩龍に敗退を喫した>
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