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●作戦決定の経緯と、ブラッド准将の人物像
五大湖解放戦に先立って行われた能力者による投票の結果は
イタリアと五大湖による大接戦となった。
そもそも能力者へのアンケートはブラッド准将による、
UPC上層部の確執を鎮火するためにおこなわれたものであったが、
4箇所でおこなわれていた激論が2箇所に変更されただけに終わった。
北米とイタリア‥‥ドローム社とカプロイア社の争いと形容しても問題のない、
次回重点地の決定は、機体コンペディションを巻き込んでラスト・ホープ島でのダース単位の折衝の後、
SoLCのバグアによる再運用というバッド・ニュースによって北米に転がりこむこととなった。
(さまざまな思惑から)五大湖解放戦という大々的なネーミングと共に発表された
本作戦の指揮官は現時点での、女性としてのUPC軍最高位の将校にして、42歳という最年少中将でもあるヴァレッタ・オリム中将。
実質的な指揮をとるのは名古屋防衛戦においてもその辣腕をふるったミハイル・ツォイコフ中佐と、ハインリッヒ=ブラッド准将と決定した。
ここでハインリッヒ=ブラット准将について紹介しておく。
彼は 1970年 西ドイツ徴兵制度により入隊した後、叩き上げの将校としてその名をはせることになる。
正確な読みで知られる「原子時計」ハインリッヒ=ブラット准将であるが、入隊当初から読みに優れていたわけではなかったという。既に同期入隊者で軍に残っている人は少ないが、記録上准将が入隊したとされるUPCの前進であるドイツ軍では一つ逸話が残っている。
「かつて上官が来る時間を秒単位で当てる奴がいた。その能力のために同僚から強い信望を得ていた」
昔の話であるため誰の事なのか特定は不可能であったが、准将のことではないかと考えている。確認するために本人にも話を聞いてみたが、「昔の事は忘れました」という返答しか貰えなかった。
しかし昔の事を忘れたと言う准将ではあるが、一年半前の大敗を忘れたということはありえない。
ヨーロッパ戦線維持の立役者として、鳴り物入りでメトロポリタンXの防衛戦の実質的指揮官として配備されたブラッド『少将』は、本作戦の失敗により降格を命じられる。
一つには降格、降格自体はそれほど気にしていない准将だが、降格に伴い上官が増えることで一部批判する者も存在する。二つ目に責任、批判の大半は「ギガ・ワームの襲来は予見できなかったのか」「他に対応する仕方はなかったのか」と言う所に集約される。しかし大半は仕方ないことと認めており、なにより下士官、報道陣は今でも准将の前では口にするものはいない。
それゆえに、今回の作戦は准将の復讐戦ではないかという印象を持っている。場所が北米ということもあるが、バグアに憎き悪魔ギガ・ワームが存在するからである。
口には出さないが准将も本作戦に並々ならぬ決意を持って挑んでいるだろう。
<写真 : ユニヴァースナイト 尚、周辺の航空機はプロモート用の合成>
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