【WF】ホワイトフェアリー
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●ホワイトフェアリー作戦の開始


●2011年の冬 WhiteFairy
 ホワイトフェアリー、という単語がこの冬、いつの間にか人の口の端にあがるようになっていた。
 何が発端かはわからない。
 何処から生まれた言葉なのかもわからない。
 子供達の考えた名前だったのか、若者向けのファッション雑誌の表題だったのか。

 発端はどうあれ、クリスマスの時期が近づくに連れて、白い妖精のモチーフはますます色々な所に姿を現すようになった。
 影響はULTのオペレーター達にも伝わり、冬の催しに関する悲喜交々の依頼に【WF】のタグを貼られていく。

 そしてとうとう、UPCの作戦名にまで採用される事となった。

●ホワイトフェアリー作戦
 地球に住む人類が結束し、バグアの支配に抵抗を始めて十数年が経過した。
 能力者たちやUPC軍の活躍により、いくつもの地域を解放し、徐々に復興へと歩み始めている。
 しかし今現在、宇宙での戦闘も行われており、その戦局は依然として定まっていない。

 そうした緊迫した状況を知りつつも、UPCに設けられた情報部は、別の任務を遂行しようとしていた。
 バグアは時として人類に対し、印象的かつ効果的な情報操作を行う。ブライトン博士の演説をはじめ、秋葉原から発信されたバグア側制作のアニメ作品などが、それに当たる。どれだけUPC軍がバグア支配地域の奪還を行っても、一般人への報告がおろそかだと効果が薄くなってしまうのだ。
 そこでUPCの情報部は、今年のクリスマスに大々的な復興PRを行う作戦を立案。士官たちは、その準備に追われていた。彼らは妖精のマークが入ったグッズをたんまり特製ダンボールに入れ、忙しそうに走る。
「そっちはヨーロッパ、こっちはグリーンランドに送る分だからな! 間違えるなよ!」
「おーい、こっちにもジーザリオの荷台に転写する用の妖精の型紙と、白いスプレーも入れといてくれー!」
 この任務は『ホワイトフェアリー作戦』と名付けられた。ULTを含めた民間企業の協力も得て、さらには傭兵たちの参加も視野に入れた一大キャンペーンである。
 これは戦火に晒された人々へのUPCによる復興アピールをすると同時に、慰問する能力者たちのイメージアップ、さらに旅先での慰労まで計算し尽くした作戦なのだ。

 さらに情報部首脳陣は作戦の拠点として、今年の夏に解放された日本の東京をシンボルにすることに決定。
 補強された背の高い建物にクリスマスツリーなどを模した電飾を施したり、軍の車両からクリスマスソングを流したり‥‥さらにはラジオやテレビの中継やCMを挟んだりと、着々と準備を整えていた。合言葉はもちろん、「白い妖精」である。例のグッズを商店や施設に無料で配布し、じわじわとクリスマスの機運を盛り上げた。
「東京より連絡が入りました! 都庁を舞う妖精に使う電飾が足らないそうです」
「すぐに手配しろ。コンテストの準備のほうはどうなってる?」
クリスマス★コスプレコンテスト聖夜のデートスタイル★コンテストミニミニ★クリスマスコンテストの3部門を開催を決めています。近日中に詳細なレギュレーションが告知できると思います」
「よし、コンテスト会場の確保は東京の本会場、ラストホープ他、各国にクローズドサーキット(ライブ中継会場)を用意するぞ!」
「情報部長、このままでは予算が超過します!」
「スポンサーを探すんだ! 広告代理店は通さなくていい! 軍事特権で割り込むんだ!」
「ファッションブランド【Steishia】からコンテスト3部門のスポンサーを引き受けてくれると連絡がありました!」
「ようし! アメリカで戦ってる連中のためにも、俺たちはこの作戦に命を賭けるんだ!」
 大規模なイベントに様々な困難の解決が要求されるもすぐ応じる。それだけ情報部の士気は高い。その協調を象徴するかのように、彼らの左肩には白い妖精のワッペンがついていた。
「慰問に行く傭兵が着る衣装も、ちゃんと準備してあるか?」
「はっ! 女性用セクシーサンタから白い妖精コスプレ、絶賛放送中の人気アニメまで網羅しています!」
 さすがは情報部といったところか。その点は抜かりはない。

 こういった盛り上げに命を賭ける一方で、該当地域に襲撃を仕掛けるバグア軍の動きにも最大限の注意を払っている。もし問題が発生しても、すぐに対応できるよう準備してあるのだ。ULTのバックアップを必要とした背景には、そういう事情も絡んでいる。
「該当の地域にあまりにも近い場所に厄介なお客さんが現れたら、それとなしに排除するよう連絡を徹底しろ!」
 みんなの笑顔を作るための『ホワイトフェアリー作戦』は、ゆっくりと完成へと向かっていた。



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