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イタリア奪還を最重要視したPN作戦により、イベリア半島の支配圏はバグアに移った。
現在、イベリア半島は薄い赤の競合地域指定ではあるが、過半がゆるやかなバグアの実効支配化にある。
人類側支配地域として残されているのは、ポルトガル、及びそこから北へ伸びる大西洋岸の極めて狭い地域。
それに加えてスペインの首都マドリードが橋頭堡として確保されているに過ぎない。
人類が完全に駆逐される事を免れた理由は、人類側の奮戦による物と言うよりは、
イベリアのバグアが領域確保を重視していなかった為だ。
ゆえに、現在地図上で交戦地域とされている土地でも、戦火の及ばぬ平和な地方も存在する。
しかし、グラナダの要塞が戦闘態勢に入った今、旧来どおりの比較的平穏な生活が保証される
時期は終わった、と言わざるを得ない。
●グラナダ要塞
スペイン南部の山脈、シェラ・ネバダの北側一帯にその要塞は位置している。
正確な規模は不明だが、数度に渡る偵察の結果、南北20km、東西100km程の広い地域に地下設備が点在し、
それらをやはり地下の通路で結んでいると想定されている。
鍾乳洞なども見られる柔らかな土質ゆえ、掘削が容易だったのだろう。
対峙する人類側の戦力不足と同様、グラナダのバグア戦力も決して多くは無い。
しかしながら、小型ギガワームが通常のヘルメットワーム2個中隊程の戦力と目される他、
軽度の光学迷彩を施した強化型ヘルメットワーム、長射程の拡散プロトン砲などを保持している為、
うかつに攻め込めない状況である。
要塞内で自力生産できるらしいキューブワームの投入数は戦域全体にわたって多く、
電子妨害レベルは常に高い事を想定せねばならない。
キューブの周辺には、迷彩仕様のヘルメットワームが護衛に伏せているという報告もあり、
駆逐も容易ではないのが現状だ。
また、ワーム戦力に比べるとキメラの数と質が整っているのがグラナダの敵戦力の特徴だ。
中に含まれる改造強化キメラは容易ならぬ相手である、という報告があがってきている。
<写真 : 『小型』ギガワーム そのネーミングについては欧州軍内部でも疑問のある所だ>
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