新型機ゼカリア
第3フェイズに出撃

 先日行われたナイトフォーゲル・コンペティションはMBT-012ゼカリアの辛勝という形で幕を閉じた。
 その結果を受けてMSIは生産ラインの増設、ゼカリアの生産を急ピッチで進めた。そして、大規模作戦「War of Independence」に参戦する為に北米西海岸まで移動してきた轟竜號に積載されてきたのである。
 これにより、大規模作戦第3フェイズにゼカリアの出撃が間に合う運びとなった。

能力者用戦車

 能力者用の地上戦闘車輛KVでは、すでにスカイスクレイパー、リッジウェイが登場していたが、それぞれが電子戦KV、歩兵輸送KVという戦闘以外での支援要素を多分に含む機体であり、それぞれの分野で活躍してきた。
 しかし、今回、MSIが貸与を開始したゼカリアは純然たる戦闘車輛KVということになる。よくも悪くも戦闘能力を高めることに重点が置かれて開発された機体は火力においては間違いなく最強といえる。
 既存のKVと同じエンジンを車輛用に改造・調整したSES搭載型ガスタービンエンジンとそこから供給され 「安心しろ。くず鉄になっても新品をつけかえてやる」  

「当社のゼカリアは“地上”最強です」−MSI営業部アパルナ・シャマラン
る電力を使ったSES搭載電動モーターのハイブリットを動力としており、メトロニウムの使用や能力者のAIシステムを使っての出力コントロールが“戦車の範疇”の中では最高クラスの機敏な動きを実現している。AIシステムの利用や急激な加速・減速性能に耐えうる肉体が必要という点でゼカリアは能力者専用戦車といえる状態である。

未来科学研究所との提携

 ゼカリアはその販売にあたって、MSIが未来科学研究所と提携を結ぶに至った。
 その提携内容とは、ゼカリアの最大の特徴である420mm滑腔砲の改造に関する提携である。今までも固定兵装を有するナイトフォーゲルは存在していたが、未来科学研究所での固定兵装の強化はできずにい
た。これはナイトフォーゲル本体との密接な関係から、改造範囲の指定が難しいという事情が存在したからである。
 今回、ゼカリアの主砲は固定兵装ながらも取り外しを可能とし(軽めのセミオーバホールで済む)、独自に武装改造が可能になっている。
 これによりゼカリアの420mm大口径滑腔砲は非常に発展性のある固定武装となったといえる。
 素の状態でも大きな破壊力を誇っている為、改造を繰り返すことで大きな破壊力の向上が見込めるだろう。
 ただし、この方式による欠点も存在する。内蔵兵器と機体を完全に一体化させたミカガミや阿修羅は、通常武装を装備せずに固定武装だけで出撃することで機動性を高めるという選択肢が存在するが、ゼカリアについては常に装備重量の影響を受けた状態となる。



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