エクスカリバー級宇宙巡洋艦とその前史 |
・エクスカリバー級宇宙巡洋艦とは? エクスカリバー級宇宙巡洋艦は、UPC軍が採用した初の宇宙専用の戦闘艦。 バグア側宇宙戦闘艦艇の撃破を目的に大型G兵器運用できる宇宙艦艇として建造されている。 必要な時、必要な場所に投入できることが目的の兵器であり、航続距離と速度、そして生産性が重視された設計となっている。 ・建造以前の状況 UPC軍が宇宙のバグアに対する反攻作戦の為に計画していた兵器体系は、KVを中心とした機動部隊を想定していた。 KVの戦闘能力の高さはすでに今までの戦果が証明するところであり、新宿副都心制圧作戦における小型戦艦ともいえる大型ワーム・ライアーを1機のKVで翻弄し、少数のKVで撃破したという驚異的な戦果も存在している。 それに限らず、KVによる多くの戦果はKVの評価を多いに高めるものであり、相対的に軍体系の中におけるKVの依存度を高めるものとなった。 アフリカ解放作戦において、ラストホープ防衛艦隊がブライトンのユダに敗北を喫したことも戦闘艦に対する軽視の傾向を加速させることとなった。 これらの状況から打ち立てられたUPC軍の宇宙戦闘ドクトリンは、KVを主力にした地上の機動部隊に準拠したものとなった。 1.KVによる打撃戦力 2.数を補完する護衛戦力としての宇宙戦闘機、あるいは宇宙戦車 3.KVを輸送する宇宙用空母、輸送艦 4.多数の小型航宙艇を利用した索敵体制 5.ユニヴァースナイトなどの少数の決戦兵器 こうした兵器体系の中に「宇宙巡洋艦」という中型戦闘艦というジャンルは存在せず、少なくとも優先度の高い兵器ではなかったことは確かである。 しかし、ブリュンヒルデIIによる封鎖衛星突破作戦、ならびにそれに先立つOF隊の強行偵察によって得られた戦訓として、バグア側宇宙艦艇の耐久性の高さが確認されたことによって状況に変化が生じる。 バグアの封鎖衛星はバグア側の宇宙における一般的な戦闘艦艇と推測されているが、その巨体による単純明快な耐久度に加えて、高度な自己修復を備えている。その為、KVレベルの火力では撃破が困難であることが確認されている。1隻や2隻であれば作戦次第で撃沈可能であるが、大規模作戦などにおいて多数の敵艦が存在した場合、KVがバグア戦闘艦に取り付けばHWが暴れまわり、KVがHWの相手をすればバグア戦闘艦がUPCの母艦や拠点を沈めにくるという具合である。 初期ドクトリンにおいてバグア側宇宙戦闘艦を撃沈可能であるのは、ユニヴァースナイト、ヴァルキリー級飛行空母などの稀少な決戦兵器のみである。 UPC軍は対艦打撃力の絶対数が不足しているという状況に陥ったのである。 それを補う為の選択肢は、KVの対艦攻撃力を引き上げるか、ヴァルキリー級をさらに建造するかの二つである。 しかし、前者は技術的な問題から、後者は鹵獲した慣性制御装置の残数という制限によって実現が困難であった。 まして、ユニヴァースナイトの新規建造などはコスト的に論外であった。 ・建造までの経緯 ここにいたり、UPC軍は宇宙戦闘ドクトリンを転換して、その体系に存在しなかった新しい兵器の必要性を認めることとなる。 それは皮肉なことに一度は不要とされた戦闘艦であった。 「艦艇は大きいので、巨大兵器も搭載することができる」 このシンプルな理屈により、バグア側戦闘艦艇に対して有効な大型G兵器を搭載できる量産可能な戦闘艦の開発が決定された。 艦艇の大型兵器プラットフォームの有効性が再確認されたのである。 建造にあたっては、0から新型艦を設計する時間が足りないという理由から、先行して設計・建造されていたリギルケンタウルス級宇宙輸送艦の設計が流用されることになる。 リギルケンタウルス級は、将来的に月軌道までが戦域となる可能性を考慮した大型宇宙輸送艦として設計されていたもので、長距離航行能力に加えて快速な宇宙艦艇であった。これらの能力は必要な時、必要な場所に対艦攻撃能力を投入する目的を持つ巡洋艦にも必要な要件であった。 リギルケンタウルス級からの主要な変更点は以下のとおり。 ・貨物スペースをまるごとG動力炉と兵装システムに変更 ・装甲の若干の強化 ・簡易管制制御装置の搭載 本格的な宇宙巡洋艦の建造に先駆けて、建造されていたリギルケンタウスル級を改造した改リギルケンタウルス級改造宇宙巡洋艦が5隻ほど建造されて、エクスカリバー級への習作とされている。 ・G光線ブラスター砲 G5弾頭の加えて、新たな大型G兵器として登場したのがG光線ブラスター砲である。 砲内部でG5カーリットと呼ばれる簡略型G5弾頭を起爆し、そのエネルギーを電磁的な誘導により敵に向けて投射する。 G5弾頭に比べると極めて射程が短いものであるが、肉迫した状態での一斉射撃は必殺の威力をもったものとなっている。 発射シーケンスの様子は下記を参照。
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