F-201D/A3 フェニックス(A3型)
●概要
 元々が技術試験機であったF-201には多くの改良案が存在する。
 F-201はまがりなりにも「人型による飛行」を実現した最初のKVではあったが、元々、空中変形を想定して作られた機体ではない事もあり(※元々はSES-200の搭載試作機X-201であり、「KV新型エンジン運用実験」において空中変形を傭兵から提案されたことで、試験項目に空中変形が加えられた)、その使い勝手はお世辞にも良いものとは言えなかった。
 これに対し、社内では様々なアプローチが試みられた。
 空中変形スタビライザーのシステムを統合・空中変形専用化し、ブースト空戦スタビライザーとしての単体運用を不可能とする代わりに練力消費量を大きく下げる案‥‥
 近接格闘攻撃力を上昇させる事で空中格闘時の一撃の威力を上げ、以って目減りした攻撃力の代わりとする案‥‥
 様々な改良案の中で日の目を見たのは、以下の2つの改良案だった。

・空中変形機能の簡略化による生産性の向上
 この改良はC型の開発につながった。
・メルス・メス社から得た『強化変形機構』の導入による空中変形能力の強化
 この改良はD型、ならびにA3型へと繋がった。

●F-201バリエーション
・F-104E/SES200試験機(仮称)
 正規採用されなかったバイパー廉価機の試作機。この機体にSES-200を搭載して、エンジン試験が行われた。
 試験機である為、正式な名称は存在しない。

・X-201
 大型エンジン「SES-200」の搭載試験機。
 SES-200の性能をフルに活用できる機体として開発された。

・YF-201
 ドローム社内の次世代KVコンペティションに参戦した機体。
 X-201よりも開発段階が進んでいるが、基本的には同じ機体である。
 空中変形による鮮烈な印象で、採用を勝ち取っている。

・F-201A
 YF-201の生産型。
 細部の調整によって試作機よりも実戦向きになっているが、やはり技術試験機という出自は様々な面で運用しづらい機体であった。

・F-201C
 北中央軍正式採用機。エンジンを現状の『SES-200』から信頼性の高い『SES-190改』に変更、機体安定化装置や気流制御補助装置などの各種機材を最低限の性能を性能を持つ(つまり機体に最適化した)量産部品と交換して、整備性と生産性を向上させた型。
 外観はほとんど同じであるが、機体の多くの部分を再設計している為、A型からのバージョンアップ(ダウン?)は考慮されていない。
 コンフォーマルタンクを廃止する事で機体の推力重量比は維持されており、戦闘能力はA型とほぼ同等。
 実質的に空中変形能力を喪失している。

・F-201D
 『強化変形機構』の採用により、空中変形の使い勝手の向上を目指した発展型新造機。正規軍版の先行バージョンアップ機。
 C型の正式採用が決まった後も、空中変形技術は維持すべきとの観点から、正規軍でA型に乗りなれたパイロットや指揮官機向けに細々と生産中。
 新造機である為、傭兵向けのA3型にはない簡易的なC4I機能を搭載することができた。

・F-201D/A3
 F-201Dで得られたデータをベースに、A型をバージョンアップ改修した機体。