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ZGF-R1オウガ |
●概要 ZGF-R1オウガは、ZGFシリーズの標準仕様という意味合いで形式番号に[R]、[Reference/標準機]の意)』が付与された機体である。 試作型であるZGF-0「OGRE」から、いくつかの設計変更が行われたが、航空機開発における試作型から量産型への変更としては比較的少ない変更で済んでいるともいえる。 これはZGFシリーズの基礎設計、兵器コンセプトの確実性を占めすとともに、ピーキーな試作型をほとんど変更せずに量産化してしまったカプロイア社の思想、美学を如実に感じさせるものと言えよう。 試作機は複数の機体が生産された。 うち実戦でも使用可能な装備が搭載されたのは、テストパイロットに提供されて実戦投入されたZGF-0「OGRE」から量産型の仕様が確定したZGF-R0(ZGF-R1一号機)までの間に試作された数機のみである。現在、すべての試作機はZGF-0の予備パーツとなっている。 ●試作型からの量産型への変更点 1.キャノピー タキシング時の周辺(足元)確認/ドッグファイト時の瞬間的な目視での視認性を考慮し、試作型ではクローズドコクピットであったものを「半クローズド」へ変更した。完全なキャノピー式になっていないのは歩行形態での生存性確保の為である。 昨今、クローズ型コクピットが増えつつある中で、空戦における「パイロットの目」を重視する思想は非常にカプロイアらしい航空機への浪漫に溢れていると言える。(無論、実用性においてもメリット・デメリットが存在するので浪漫の為に性能を捨てたわけではない) HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)及び、キャノピー前半部内に設置される大型スクリーンでの情報および前方視界投影。 2.スラスター設置数の整理 試作型飛行形態機首部3x2ヶ→量産型機首部2x2ヶ 試作型歩行形態両足部4x2ヶ→量産型両足部2x2ヶ 試作型歩行形態両肩後部1x2ヶ→量産型両肩後部排除 3.翼形状(飛行形態) 主翼全体を後方へ広げ、機体重心を後方に移動させる事で超高速巡航時の安定性を確保した。 前進翼を採用しているが主翼付け根部分に若干の後退角があり、独特なW字型の翼平面形(上から見た時の翼の形)を形成している。 カナード翼/尾翼を面積縮小/後方へのスラント(傾斜)により、過敏な機体反応を緩和させた上で、必要十分な機動力確保の為、双方を「全翼可動型」とする。 4.頭部形状(歩行形態) 試作機に於いて頭部下方に位置していた各種センサー類を1ブロックに纏め、頭部上方へ移動。 これにより、該当センサー類の飛行形態時での使用も可能とした。 5.装輪装置(歩行形態) 接地パーツを「履帯(りたい)」から「車輪」へ変更する事で、周辺パーツ形状の簡略化と小型化を実現している。 結果的に、僅かながらに試作機同装置以上の剛性を確保でき、また、展開プロセスの簡略化と整備性も向上させている。 |