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HF-032Ex 破曉 |
・開発の経緯 奉天社が開発した、対エース戦闘を目的に最新技術を投入した作られた高性能機。 廉価機の生産で実績を積み上げてきた奉天が高級機を開発した経緯は、対バグア兵器の切札であるKVの研究開発費の増額を奉天社社長が決定したことに始まる。 結果、幾つかの先進技術検証機が研究・開発され、高性能機の自社開発は可能であるという報告が得られた。 同時期に大規模作戦「己丑北伐」に伴う中国解放の機運の高まりの中で、国産高性能KVの開発を求める声がUPC中国軍からあがる。 瀋陽解放による極東ロシア安定化に伴う資源コストの低減を当てこんだ奉天は、UPC中国軍の過剰ともいえる要求仕様に応える高性能KVの開発にゴーサインを出した。 しかし、開発は難航した。既存の技術から機体をコンパクトに安価にまとめあげる技術に関しては奉天の右にでるものはないが、反面最先端の技術を駆使して限界ぎりぎりの性能にしのぎを削ることを得意としていないことがある。先進技術検証機の研究開発で得られたノウハウはあり、一定レベルの機体は完成したものの銀河重工のシラヌイの登場によってハードルは引き上げられるばかりであった。 そこで、そうした技術面の問題を解決する為に、UK参番艦建造の際に協力体制を取った銀河重工・MSIとの提携を決断する。 3社の技術者による意見交換、高性能エンジンなど奉天が苦手とする分野のライセンス生産許可などを経て開発された機体は、奉天が主体ではあるものの結果的にアジア企業の技術の集積体となった。MSI・銀河重工からの技術協力やライセンスの購入に奉天は、金銭ではなく自社で開発した新型コクピットシステム「C.Or.E」を無償提供を賄っている。これにより、ライセンス品ながら必要なパーツを格安で生産することが可能になっている。 ただし、ライセンス技術を奉天の工業規格に落とし込む時間的な余裕はなく、単純なコピー生産を行った結果、各国の工業規格までが複雑に入り混じる劣悪な整備性の機体になってしまった。 ある者は冗談めかして言う。「この機体の為に払った犠牲は大きい。その犠牲には多くの整備員が含まれる。だが、守れるものの大きさに比べれば些細なことだ」と。 完成した試作機のスペックだけは軍を納得させるに足る物だったが、その特徴ゆえに軍では使いにくい機体として判断された。 最終的に、試作機のお披露目に参加していたULT職員の眼に留まり、傭兵向けの機体として開発方針の転換が行われた。 |