1915(大正4)年2月14日、東京・南千住に生まれる。
 当初は日本画家・堀田秀叢に師事。
 やがて昭和初期の人気挿絵画家・小林秀恒の門下となり、挿絵画家へ転向する。
 1938(昭和13)年に「小樽新聞」に連載の悟道軒円玉の講談小説『白狐綺談』の挿絵でデビュー。
 戦前・戦中を通じて、各種の挿絵で腕を振るう一方、科学雑誌『機械化』(山海堂・刊)誌上で活躍する。
 1948(昭和23)年から作画連載されたSF冒険活劇物語『地球SOS』などで、山川惣治と人気を二分する人気を獲得、一時代を築く。
 映像系の分野でも活躍し、東宝の『地球防衛軍』『宇宙大戦争』『モスラ』などの映画作品でメカデザインを担当し、好評を博す。『マタンゴ』等ではキャラクターデザインやストーリーボードも手がけていた。
 さらには、「サンダーバード」に代表されるプラモデルのパッケージ・アートも手掛け、「小松崎が描けば必ず売れる」とまで言われるようになる。
 晩年も、筆を置くことなくコンスタントに作品制作を続け、CDジャケットや家庭用ゲームソフトでもイラストを描くなど多方面に活躍した。
 2001(平成13)年12月7日86歳で逝去。



 小松崎茂著『地球SOS』は1948(昭和23)年から『冒険活劇文庫』(後の少年画報)で連載され、その後のSF漫画や映画に多大な影響を与えたSF絵物語の金字塔にして、数多くの仕事を残した小松崎画伯の代表作とも言うべき作品。
 画伯の描く斬新でリアルな科学冒険の世界は、当時の少年少女たちに大きな衝撃と熱狂的な支持を持って迎えられ、1951(昭和26)年、未完のまま中断を余儀なくされたが、60年近く経つ今でもその魅力は衰えることなく、多くのファンを惹きつけている。
 ファンの熱烈な要望により、2002(平成14)年、双葉社より完全復刻版が刊行された。